「暴 露 その1」(2014.07.12)にメモしましたように、新しい思想家、哲学者、啓蒙家が登場し、ジャン=ジャック・ルソーの国民に主権を認め主権のない政府を転覆することを可能とする思想が登場しました。
トーマス・ピケティの『21世紀の資本論』はカール・マルクスの『資本論第1巻』を「火の鳥」如く甦えさせ、収奪を否定し収奪者から全てを奪うことを可能(権利)とする思想に位置づけられるか?
「資本主義の終焉と歴史の危機」(水野和夫 集英社新書)
「資本主義の終焉と歴史の危機」(水野和夫 集英社新書)に目を通しましたが、経済、経済学の門外漢が頓珍漢なメモをしても、と躊躇していました。
が、同書の最後の1行を読み、「うっ」と覚え久々に「資本論」を引っ張り出した次第です。
本書は、利子率を指標とし、資本主義の構造変化、グローバル経済の限界状況を説明しています。
・資本の収奪対象となる辺境は、ほとんど残されていない。
・国家の内側に辺境を生み出し(格差の拡大、中間層の没落)収奪している。
・ 距離による時間差による収奪とともにコンマ以下の秒単位による電子・金融空間により収奪している。等
日本は資本主義の最終局面にあり、新たなシステムを構築するために、資本主義の崩壊を加速させない、財政健全化する等、その間にポスト資本主義の社会を用意する、と。
ただし、ポスト資本主義の社会がどういう社会であるか不明であり、衆智で模索すべきであると述べられています。
「うっ」となった最後の1行は
『資本主義終焉を告げる鐘の音がはっきりと聞こえています。』
この後に、『収奪者が収奪される。』と綴られていると読めたためです。