Retriever Legend's blog

散歩好き、本好き、惰眠好き、犬大好きの彼(旦那)の戯言を僕が代弁します。

尊王攘夷

2007-11-04 19:39:36 | 未分類
「愛国心を考える」(テッサ・モーリス-スズキ岩波ブックレット)の読後感を。

米国の9.11後の『愛国心』、1937年10月から展開された『国民精神総動員運動』の実体=徹底した自己犠牲、上からの『愛国心』の強要のありさまなどの具体例とともに、国を良くしたいと考えた4人(田中正造、違星北斗、小林トミ、ヴァレリー・カウオ)を『愛国心』の視点から紹介しています。

また、現在語られる『愛国心』は『天皇』については拘りを見せていないと指摘しています。

藤原正彦の「国家の品格」を根底から批判しています。

本書の最後に、グローバル化による国際結婚により二つの国を愛することについて書かれており、本書の基調である国を良くしたいとの『愛国心』は、恒久平和に貢献する旨で終わっています。

ネット上に「攘夷」の書き込みが溢れています。
自分の存在を他者の排斥により確認していることであり、内省なき空虚な確信でしかありません。
日本人以前に、人間として「恥」と考えています。

日本人として「恥」と考えると、『愛国心』そのものになりますが、人間として「恥」と考えていることは『愛国心』ではないと言いきれない、境界の認識が必要となります。(国家の象徴である国旗の二面性)



私は、『愛国心』には国家解体の根源のひとつがあると考えています。