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毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ドローイング1013.小説:小樽の翠917. 搾乳ではなく搾精・・・

2025年07月05日 | drawing

 青森のリュウ君が、インポの治療で深夜のフェリーで小樽にやってきた。診療が終わりアチキと昼飯をたべようといういつものお誘い。わざわざ小樽まで来たんだから、飯ぐらいつきあわなきゃ友達がすたる。
リュウ君「フィリピンの嫁が2人目の子供が欲しいといってたのは、前にも話したよね」。
「うん、最初の超早婚の娘さんが嫁にいっちゃったので寂しいから二人目を作ろうという話だったね」。
リュウ君「そうなんだ。それで嫁が積極的で、早速青森市内の人工授精をする病院をみつけたんだ」。
「手回しがよいじゃん」。
リュウ君「それでね、医者が精子を調べるので旦那さんと一緒にこいというわけさ」。
「それで、一緒にいったの?」。
リュウ君「もちろん、嫁にせかされていったさ。そんで、医者が検査用に精子を採取しましょうといって採精室だよ。いきなりそんなところにゆかされたって精子をだす気分じゃないよね」。
「そりゃ、そうだ。でっ、だしたの?」。
リュウ君「そんな無味乾燥の部屋のベッドでさあ、でるわけないじゃん。そんで、嫁が、『さあ、お父ちゃん頑張ってだしましょう』といって積極的なんだよ。それで出す気分じゃないといったら、『よし、手伝ったる』ちゅうわけで、嫁にパンツをさげられて、2つの腕でゴシゴシとペニスをしごくんだよ」。
「おおっ、搾乳じゃなくて搾精ですか・・・」。
リュウ君「私が痛いといっても、嫁は頑張ろうねの一言で、2つの腕でペニスを挟んでグイグイと回したり、上限にゆすったり・・・だよ。ああっ、もうちょっと優しくもんで欲しいのだけど、フィリピンの嫁はそんな加減が下手なのよ。私は『もっと優しく』といってるんだけど、看護師よりも即物的なんだよ」。
「日本人のようには、ゆかないわけだ」。
リュウ君「そうだよ。それで時間をかけるとペニスが痛いし、気絶する寸前だったもん。次第に意識が遠のいていってさあ、やがてなんか変な感じだと思ったら、ようやく出たみたい。嫁は驚喜して採取ビンにとっていたけど」。
「難儀の末にやっと採取できたんだ。まあ、いいじゃん、義務は果たしたんだからさ」。
リュウ君「即検査したら、精子はあるが少し数が少ないけど自然授精でも、ゆけそうだね、という医者の話さ。まあ小樽の病院でシアリスをもらっているからね。そのとき私は思った。女は、ナイスボディも、色気も、ファッションや化粧で装うことも、それらすべてははまさしく仮の姿であり、内実は男に精子を吐き出させ出産につなげるための生殖本能の生き物だったってことを」。
「それが女という生き物の本質だったんだ」。
リュウ君「そうだよ。男は女の虚飾の姿にだまされて精子を増産するんだ」。
「増産しなきゃ生殖につながらないもんね。女は、いつもどうやって男の精子を増産するかということに頭を働かせている。ファッションも化粧も魅力的に飾り立て、愛をささやくのは、やはり最後は精子を増産して生殖につなげるからだろう」。
リュウ君「つまり男の価値はオキシトシンを分泌して種を増産することだけさ」。
「そうなると、女の色気も愛のささやきも、さらには古来からの四十八手も、すべては快楽を通り越して生殖に行き着くための手段だったという結論だね。まあ結論にたどり着いてよかったじゃん」。
リュウ君「結局搾精される動物が男の本質だった。人生の場面場面で愛だの美だのでカモフラージュされてきた女達に騙されてきた結果だろうなぁー」。
・・・
そんな達観した気分で、リュウ君はいつもの列車で青森へ帰っていった。きっと自然授精で二人目をつくるかもしれないな、という予感が彼の後ろ姿に垣間見えた。
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