Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE44. 続・送り火について!

2010年08月18日 | Kyoto city
 五山の送り火の終わり頃の残り火で、今年もチョッピリアートをしてみた。送り火で精霊達が天上界へ帰ってゆく構図といったらよいだろうか。
 京都は、季節毎に題材が多いので、遠来から撮影志向の人間達が訪れる機会が多い。ポイントは、どこへ何を撮影しにゆくかである。観光コースを回ったって、とりつくされた風景しかない。そんななかで催事というのは、格好の動機付けになる。当然観光客も多い。それは観光都市だからいたしかたないことだろう。
 そんな催事でも、私は観光客が多くたむろし、多くのカメラマンが三脚を立て、警察官やガードマンがいるところには、できるだけ近づかないようにしている。観光客は、大衆的且つ通俗的且つ絵はがき的風景を好み、それに行動は場当たり的だ。またカメラマン達は朝からバイトを雇い場所を確保しているしわけだし、警察官らはうるさくて、宗教行事の空気にはそぐわない。
 ビジターは折角京都に来たのだから、静かで落ち着いた古都を楽しみながら送り火を撮りたいと思うだろう。そうであるならば、WEB情報や観光情報をあてにしないことだ。WEB情報には私が判断する限りにおいて、現地に行かないで書いているものが多く、それでは情報にならない。また観光情報の見所スポットは目安にもならない。
 五山の送り火でも、実は街中の普通の道から結構みられる場所が多いのである。例えば銀閣寺界隈の街中の通りでは、大文字を間近に見ることができ、西大路通の正面では、左大文字が通りの正面に見えるといった具合にである。だから地図で捜してみたり、或いは朝方実際に街を歩いてロケハンするのも最適な方法だと思う。実はそういう過程にこそ、古都の夏を感じることができよう。
 そのようなところは地元の人達が、そぞろ歩きながらお盆の風情に満ちている。気のあった仲間達と団扇片手にサンダル履きででかける。時には浴衣を着て彼氏彼女とデートする。そんな日々の暮らしの中にフット眼をやると送り火が見えた、それが古都風の見方だ。つまり古都の風情を撮影したければ、地元の人達について行けということになる。
 商店街のイベントではないのだから、五山の送り火を、一度に沢山見たってしゃあないやろ。いにしえの時代から続く宗教行事だから、歩く道すがら毎年一つをながめながら夏の終わりを感じつつ、精霊達を送り出そうとする精神性が必要であり、そこに古都・京都の価値があるわけだ。
 そんなときに、持っていることを忘れさせてくれるオリンパスペンが大変便利なのだ。

京都市・船岡山公園,撮影日8月16日
OLYMPUS PEN E-P2,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/2,絞りf11.,焦点距離150mm,ISO1600.iFINISH.
コメント
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