中学の頃鉄チャンに誘われて、少しばかり鉄道の世界に興味を持った。その時特急電車並みに走るディーゼル特急に最大の関心があった。それは電化区間であろうと非電化区間であろうと、オールマイティで高速で駆け抜ける世界を想像していたからだ。
だから函館から網走まで走り抜ける国鉄のキハ82系ディーゼル特急など一度は乗って、高速運転を堪能したいと言うのが当時の夢だった。そしてこの車両の1/80ペーパーモデルまで制作したことがあった。その後そんな機会もなく大人になり忘れていた。
民営化後に憧れのキハ82系に乗る機会があったが、各駅停車のように大変のろい特急であり、騒音がすごいのであった。設備もお粗末というほかない。大体非電化区間というのは、ローカル線だから線路規格が貧弱で高速運転などできるはずがない。それに後日キハ82系というのは、故障続きでメンテナンスが大変であり、最高速度に近い95kmで走れるのは5分だけという、名ばかりの特急であったことを思い知った。
その後この画面に写っているワイドビュー飛騨という新型ディーゼルカーキハ85系に乗る機会があり、高速運転というアナウンスに期待はしたが、なんか一般道を走る自動車と同じ速度だし、場合によっては郵便屋さんのバイクと併走したり、ようやく線路規格の上等な幹線にはいり高速運転かとおもいきや、燃料を節約するような実にノロノロとした走り方であり夢はついに打ち砕けた。
だが鉄道模型をつくった技術は、その後建築模型をつくるときには大いに役だったし、いまはその建築を教えて生業としている。今はそんなディーセル特急より格段に速い、新幹線でフェラーリ並みの速度で通勤している。プロダクトデザインとりわけトランスポーテーション・デザインとしてみると、今でも鉄道車両はそれなりに面白いと思うけど。
新幹線・米原-岐阜羽島
OLYMPUS E-P5,LEICA MACRO ELEMARIT45mm/F2.8
ISO1000,露出補正-0.3,f2.8,1/8000