活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

仏道修行の特色 1

2016年04月12日 | 道元禅師

道元禅師 「学道用心集」 のお示しの中にある言葉です。

 

「仏道を修行する者は、先ず須(すべか)らく仏道を信ずべし、

仏道を信ずる者は、須らく自己本(元)道中に在って迷惑せず、

顚倒(てんどう)せず、増減なく、誤謬(ごびゅう)なしということを

信ずべし、是の如きの信を生じ、是の如きの道を明めて、

依って之を行ず、乃ち学道の本基なり」

 

「自己本道中に在って」 ということは、既に私たち衆生の煩悩、不安、

焦燥、怒り、愚痴というようなものは全部、そのものが既におシャカ様や

歴代の覚者の説かれる、「道」 である、「法」 である、「禅」 であるということを

まず信じなさいということです。

 

そして仏道だけに見られる修行ですが、

「一応信じて、そしてその信をなくする」

ことです。

 

他の宗教は、おそらく 「信」 ということが、すべてです。

 

仏道は、はじめは「信」に従って道を求め、そしてその

「信」 をなくすることによって、「道」 も 「法」 も 「禅」 も

「悟り」 も 「迷い」 もなくなるという教えです。