活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

仏道修行の特色 3

2016年04月14日 | 道元禅師

禅の一番悪い病は、修行をして 「自分がこうして、こうなったんだ」

という禅病とか、「法の病」 が残っているという事です。

 

そこで、道元禅師は

「迷惑せず、顚倒(てんどう)せず、増減なく、誤謬(ごびゅう)なし

ということを信ずべし」

と、お示しになって居られるのです。

 

そういうことが、本当に信じられたならば、それから修行に入りなさい

と、いっておられるのです。

 

けれども、私たち衆生は従来の習慣病、習気(じっけ)というようなもので

どうしても自分を含めて人の考えというもので

「自分の状態を取り扱おう、取り扱おう」

としてしまうのです。

 

どんなに一生懸命になって修行している人でも、必ずどこかに

ちらちらと自分の考えが首を持ち上げてきて、今の自分を

いいとか悪いという善悪をもって取り扱おうという習慣が

ついているのです。

 

これを 「坐」 によって、綺麗になくしていくということが

どうしても必要になってくるのです。

 

ですから、「信じるだけでは足らない」 のです。

それはまだ、「途中」 のものなのです。