おシャカ様よりだいぶ後の人ですが、ギリシャの哲学者
ヘラクレイトスが、
「万物(ばんぶつ)は流転(るてん)する、人も物も
流転している」
と言いました。
仏道にも同じように「無常」という言葉がありますが、
ヘラクレイトスの説には大きな間違いがあります。
どういう間違いかというと、ヘラクレイトスの説は、
「すべてのものが流転する」ということを、知っている
自分があるということです。
自分も一緒に流転をしていれば、流転しているということは
わからないはずなのに、流転していることを知っている
自分があるのです。
つまり、自分だけは流転していないわけです。
このように、流転しているものと、流転をしていないものが
あるために、ヘラクレイトスは「万物(ばんぶつ)」と
言いながら、自分を万物以外と認めてしまっているという
ことです。