活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

自己をわするるなり

2015年08月28日 | 道元禅師
「自己をならうというは、自己をわするるなり」

という、道元禅師のお示しがあります。


「自己をならう」とは、自己に参じることです。

「自己をわするるなり」とは、「ものと自分との隔たりがなくなったこと」をいいます。

間違いやすいことです。


坐禅によって自己を【忘じようとするから】、自己が【忘じられない】のです。

ですから、【坐禅に成る】、それが自己を忘じることなのです。


坐禅というのは、「行住坐臥 (ぎょうじゅう ざが)」、つまり、日常のすべてのことなのです。

ですから、そのもの そのものに成る、それを「自己をわするるなり」と、こういっています。

自己を忘じたことを、「脱落」と言うのです。