活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

空 (から)

2015年08月18日 | 法理
私達衆生は知識が豊富です。

十分それを使いきっておられますが、坐禅に関してはそれがものの役に立たないのです。

ですから、坐禅をして力をつけるのではなく、坐禅をして「そういう力を一度捨てきってしまう」という必要があるのです。


「捨てきる」とは、自分の過去の知識というものを、引き出しの中、あるいは棚の上に上げてしまって「空 (から) になって坐る」ということです。


自分が「空 (から)」になりさえすれば、かつて学んだ知識というものは、今度は大きく広く使えるのです。

ですから、自分というものがなくなれば、本当に大きく過去の知識が使えるということなのです。


一切我見を交えないようにして、黙ってその事を単純になって務めていくということです。