作品紹介・あらすじ
家族が引き起こした不祥事で故郷を離れ、コロナ禍のなか帰郷した女性。母の実家で、家業代々の秘密を知った息子。両親を事故で失い、我が家にやってきた不思議な従妹。わかりあえると思ったら、遠ざかる。温かいのに怖い。恋があって、愛があって家族になったはずなのに──。「人間」という人生最大のミステリーを描き続けてきた作家による、傑作短編を精選した文庫オリジナルアンソロジー。
「いっちみち」「ルール」「青い手」「4℃の恋」「夕がすみ」「青い夜の底で」「他人の背広」「団欒」
読書備忘録
「いっちみち」親の都合で夜逃げした。大人になって帰ってみたら・・・早くコロナが収まって松山で会えるといいね。で、この先のお話がこのようにハラハラするけれどいいお話!と思いきや・・・
「ルール」では、お、お父さん!・・・
「他人の背広」笑い話ではありません。とても怖いお話です。余談・・・OL時代靴を間違えられたことがあり、うっわぁやだ!と当時お稽古をしていたお琴の教室を思い出した。24.5cmの私の靴がなくて、なんと残っていたのは素材の違う22cmの靴!どう考えても間違えるわけがない。幸い友達も一緒だったからすぐに外に出て、捕まえて来てくれた。何度かそういうことがあったようで先生は他人の靴を売り飛ばしていたその子をお出入り禁止にした。ま、私もすぐにやめたんだけれど・・・それ以来洗濯ばさみを持ち歩き、靴を脱ぐところでは洗濯ばさみで一足くっつけていた。
そんなお話に続き、最後の「団欒」で、バカか!とうっかり声が出た。なんてことはない、その時にさっさと救急車を呼んで事情を説明すれば、こんなことしなくて済んだのにっ!
ってことで・・・この本のお話、結構好き!