作品紹介・あらすじ
無差別通り魔事件の加害者と被害者。決して交わるはずのなかった人生が交錯した時、慟哭の真実が明らかになる感動長編ミステリー。「約束は守った……伝えてほしい……」それが、無差別通り魔事件の被害者となった飯山晃弘の最期の言葉だった。自らも重症を負った明香里だったが、身代わりとなって死んでしまった飯山の言葉を伝えるために、彼の人生を辿り始める。この言葉は誰に向けたものだったのか、約束とは何なのか。
読書備忘録
とても丁寧に書かれていて感動場面が多かった。
ネグレクトを受けて育った子供が母親となり、また・・・
教育は大事だけれど、それすら受けられない子供たちが居るという事。
貧困の中で必死に子供を育てる母親がいる事
母親からどんなに虐待を受けていようが、それでもお母さんが大好きな子供がいる事
一瞬の幸せ、少しの幸せ
少しでもかかわったいい大人が居る事って、たぶんすごく大切ことだと思う。
明香里はトムを、見て見ないふりをしなかった。
犯人は幸せそうだったから・・・と、人は幸せそうに見えても見た目ではわからない。
話を聞いていてもわからないこともある。無理してない?なんて思う事だってある。
小学生時代、担任の先生がよく子供の家を訪ねていた。親の仕事で転々としていて小学校に行っていなかった建築現場のハンバで暮らしていた子は、この先生のおかげで学校に通えるようになった。担任の大山先生は榛名山の麓で育ち一度社会に出てからどうしても先生になりたいと東京で先生になった人。親たちから信頼されていた。私の性格も大山先生に引き出してもらった・・・と、母親は申しておりました。
いい大人に出会うって事は子供にとって財産になると思う。たった一人でも・・・それが社会に出たことのある先生だったら・・・とても。
★★★★★