作品紹介・あらすじ
昭和18年、戦時下の日本。国家のために死ぬことを夢見る軍国少年・勇二が出会ったのは、歴史学者の娘・涼子。日本が戦争に負けると言い放ち、自由奔放に振る舞う不謹慎な彼女が、大学生の兄の恋人だと知ったのは、学徒出陣が近付く頃だった…。
「どうして俺が生き残っちゃったんだろうな」
「生き残ることは罪じゃないでしょう」
自由が統制され、夢を見ることさえ叶わない社会で、少年少女はどこへたどりつくのか。
秘密の図書館、真夜中の帝都、出征の朝、西へ向かう夜汽車、真っ白な日の丸。
『平成くん、さようなら』の著者による書き下ろし本格青春小説。
読書備忘録
「幸福だから笑うわけではない。むしろ笑うから幸福なのだ」
あの時、お兄さん笑っていましたよね。
好きな人がこの世界からいなくなることは悲しい。だけどこの世界にいるはずの好きな人に、もう二度と会えなくなることも悲しい。だからね・・・
読みやすく引き込まれ、イッキヨミ!