あらすじ
珈琲の香りに誘われて、函館に短い夏がやって来る。 函館の街にひっそりと佇む古い西洋風アパート翡翠館。オーナーの荻原時子は翡翠館を仕事場兼居住スペースとして貸し出し、若い才能を後押ししている。装飾ガラスの職人を目指す堀池一子、 テディベアアーティストの相澤幸太郎、ピンホールカメラ専門の写真家藤村佐和。それぞれが自分の居場所を探し求めながら、明日への不安の中で生きていた。 夏のある日、入居予定だった家具職人藪下の代わりに桧山英二が突然やってくる。古本屋を始め ると言いながら彼には隠していることがあった。それは若き日に自身が描いた小説「不完全な月」 以降、思うような作品が書けず苦悩する小説家としての姿だった。我が子と二度と会えない一子、 故郷を遠く離れた相澤、対人恐怖症の佐和。心に小さな棘が刺さったままの住人たち。桧山は、住人たちとのふれあいの中で徐々に自分を見失っていく。何も生み出さない自分への怒りと焦り。桧山は止まったままの時間を動かすように、蔵の中に眠っていたオートバイの修理をはじめる・・・。
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誰も知らない・・・でもなかった。あがた森魚と夏樹陽子だけ・・・
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時間が止まってしまったら動き出すまで待てばいい!
そうね・・・
きっと誰かが待っていてくれる。