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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

日韓問題は歴史認識の確認から

2019年09月03日 11時51分58秒 | えいこう語る

▼我が国と一番身近にある韓国。最も親しくなければならないはずだ。だが、私たちはどれほど韓国の歴史を理解しているだろうか。

▼聖徳太子の時代に半島から仏教が持ち込まれ、我が国は大きな影響を受けた。豊臣秀吉の朝鮮出兵。明治に入ってからは韓国併合で、我が国が敗戦を迎えるまで35年にわたって、韓国を植民地化していた。この程度ぐらいが私の歴史認識だ。

▼併合の感覚が戦後も残っていたせいか、日本にいた半島の人たちを、卑下していたというのは子供心に記憶している。日本語をたどたどしく話す人たちを、周囲の大人たちが「チョウセン・チョウセンとパカにしないでよ」と真似て、笑っていたからだ。

▼私の同級にも、在日の男子がいた。苦学し大学を卒業し、関西方面に勤めていたが、30歳を過ぎてから突然故郷に戻ってきた。久しぶりで酒を飲もうと約束した翌日、自死した。

▼何か、とらえようもない怒りがわいてきた。私は中学卒業後、彼と話したことがなかったので、彼の気持ちを理解したわけではない。だが、人種差別という言葉が私の全身を震わした。

▼「君の生まれたの故郷は、今、美しい紅葉に染まり、君の帰りを歓迎している。鮭も故郷の川に戻ってきた。なのに、なぜ君は去っていくのだ」と。今でも脳裏から離れない私の弔辞の初めの文言だ。

▼半島は戦後、南北に分断された。それはドン詰まりの半島が持つ、歴史的に他国からの干渉を受けてきた、地形的で運命的な要素によるものだ。

▼それゆえ、民族意識は強かったが、他国の干渉とそれに配慮し過ぎたため、自立した国家を形成できなかったのが、韓国の弱点ではないだろうか。

▼日本のように開国し、富国強兵政策で軍事国家を形成し、近代国家への道を歩めなかった。そこで、明治の中頃から、日本にすり寄る政策に出る。韓国併合につながる要素は、むしろ韓国側にあったと言っても過言ではないようだ。

▼もちろん我が国も、朝鮮半島は大陸進出への、大切な地域であったのは間違いない。日中戦争がはじまる。慰安婦問題や徴用工問題は、植民地化していた帝国日本が犯した、当時としては、何の倫理観の欠片もない行為に違いない。

▼だが、トランプが大統領になり、世界の秩序が米国第一主義により均衡を失う。米朝首脳会談で、半島の情勢も大きく動き出す。朝韓首脳会談で、南北統一が視野に入る。

▼トランプは在韓米軍の撤退をほのめかし、我が国には双務的な安全保障を要求し、さらに米軍駐留費の全額支出を要求する。日・韓・朝・中・ロの極東地域の安全に、大きな影響を及ぼしている。

▼その中で、孤立しそうなのが韓国だ。どこかに支援を求めなければならないという現状は、李朝時代と何ら変わらない国情のようだ。


▼そこで再び、徴用工や慰安婦問題をむし返す。国内の不安を、それらの問題に向けようとする、単純な政策のように思える。それに歴史修正的な解釈をするアベ政権は、高飛車に対応する。韓国をいまだに下目に見ているところがあるようだ。

▼日韓問題は、両国の歴史認識に大きなズレにあるようだ
。ここは「韓国の大統領と国会議長VSアベ総理と大島衆議院議長」が、話し合わなければならない。

▼もちろん対談場所は「竹島=独島」だ。だがその前に、アベ総理は韓国の歴史について、しっかり学んでほしいものだ。だが、我が国の総理ばかりではなく、韓国大統領の歴史認識も、甚だ不安な感じがするが。

▼文藝春秋社「韓国併合の道」呉善花著を、結構しっかり読み終えたが、私の頭では理解はできても、それを書き出す能力が足りない。この本は日韓両国の歴史を、あまりにも詳しく書き込んでいるからだ。

▼読み終えてから、こんな言葉が浮かんできた。元ドイツ大統領の、リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー氏の言葉だ。

▼5月8日は心に刻むための日であります。心に刻むというのは、ある出来事が自らの内面の一部となるよう、これを信誠かつ純粋に思い浮かべることでもあります。そのためには、われわれは真実を求めることが、大いに必要とされます。・・・「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在でも盲目となる」。

▼日韓問題について、メディアが歴史を振り返り解説することを怠っている。そのことが、問題の解決をさらに曖昧にし、アベ政権での憲法改正を、一歩前進させているような気がしてならない。