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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

風が冷たい

2012年04月15日 14時12分12秒 | えいこう語る
朝5時半に起きて庭の掃除を始めた。
落ち葉の下に、柔らかな薄緑の草の芽が出ている。
銀杏の木の下に、福寿草が咲いていた。


5月になれば桜が咲き、何種類かのつつじも、次々と咲き始め、庭も新しい緑に囲まれる。
陽も照っていたが、動いていたら汗ばんで来た。服を脱いで下着一枚になる。近所のおじさんが「ずんぶ、若げえな」と声をかけていった。
掃除も終わり頃になると陽が翳り、風が吹いてきた。
ちょっと前までと打って変わった、まるで冷凍室に入ったような、冷たい風だ。
最近、村にそびえる恵山(618M)に登った人から聞いたが、頂上はまだ雪だらけだという。
本州方面から吹いて来る暖かな風が、山頂で冷えて村に吹き下ろすのだろう。
その雪が融ければ、桜もあわてて開花するに違いない。
風の冷たさの理由がわかり、なんだか急に春が身近に感じられた。


顔相診断

2012年04月13日 15時32分52秒 | えいこう語る
昨年暮れの我が地域のスケトウ鱈漁は、漁獲量の割り当てに満たないまま、漁を中止した。
豊漁の時は、船一艘で1日100万円もの水揚げになり、早朝から夜まで港が賑わうこともある。それがまるで嘘のように感じられる、今の前浜の状況である。
海水温が高く、魚が網をかけた場所の、沖合いを通過したといわれている。地上では数十年ぶりに実感した寒い冬だったし、大雪が降ったのも、海と陸との温度のバランスがとれないのが原因のようだ。
今年に入っても、ホッケがまったくというほど捕れない。
温泉での漁師さんの会話からも、いつもの威勢は消え、空元気のようだ。
過疎の漁村、地上では人口が減り海では魚が激減している。夜の外灯がやけに寂しく感じられる。
福島原発事故で避難を余儀なくされている町中と、ほとんど変わらぬ光景を眺める思いだ。
振り返ってみれば、昨年スケトウ鱈も1度いただいたきりで、ホッケは1匹も口にしていない。
海底の太平洋プレートが少しずつ移動し、その微妙な振動を魚が感知し、すでに避難を始めているのではないかと、ひそかに考えてしまう。
さらに、海が放射能で汚染されていれば、魚だって非難を余儀なくされるのだろう。
そんな地方の現状を知らぬ政府は、原発再稼動に向け政治的判断なるものをもくろんでいる様だ。
※欲しかった本が手に入った。叔母の主人の遺品だ。


飢饉という言葉は、前浜では聞いたことがないが、生まれて始めて飢饉という言葉が、脳裏をかすめる。
仮定の話はしたくないが、大地震が起きて福島のような原発事故が多発したら、
我が国は食糧難に陥り、飢饉が現実になるかもしれない。
良いことがなく、悪いことばかり続きそうな、そんな予感がする、この頃の野田首相の顔である。
そろそろ交代もという声もあるが、次の顔が浮かんでこない。
どうやら国会も、人材飢饉に陥っているようだ。


瓦礫処理について考える

2012年04月10日 15時57分17秒 | えいこう語る
東日本大震災の瓦礫の山が、震災直後と変わりない光景で放置され、被災された人々の心を苦しめている。
一時も早い除去を望むが、心にひっかかるのは放射性物質の人体に及ぼす影響である。焼却すると33倍にも濃縮されるというのも、受け入れを躊躇する最大の理由でもある。
国は焼却灰の放射性セシュー濃度が、1キロ当たり8,000ベクレル以下であれば安全だというが、8,000という数字を聞いただけでも大きすぎて心配である。
3:11以来、国民の信頼を失っているのは「国と東電」で、まずそれが払拭されない限りは、この問題は心情的にもスムーズにはいかないだろう。
福島第1原発事故が継続中なのに、警戒区域内への住民の帰郷許可や、原発再稼動ありきの政府の言動をみるにつけ、そう簡単に国民の理解を得ることは出来ないだろう。
ところがここに来て、瓦礫処理を受け入れる自治体が増えてきた。
受け入れを表明する首長は「同情するなら処理が先」と、「絆」を「踏み絵」にした発言が目立つ。
市民の生命を守るのが首長の責任とする札幌市長などの慎重派は、肩身が狭くなる傾向は避けなければならない。慎重派ではなく正統派なのだから。
危惧していたが広大な大地我が北海道、瓦礫処理に知事が音頭をとり始めたのだ。5月に停止する泊原発3号機、運転中止中の1・2号機の再稼動をもくろんでいる腹だ。大飯がだめなら北海道が、という意気込みが感じられる。
その道内でも、最も東北からの移住者が多い函館周辺の市町の首長たちが、受け入れに熱心なのである。
建設を中断している大間原発、対岸の函館市長は福島の事故以来「大間原発工事完全凍結宣言」を打ち出している。その手前、函館市での瓦礫受け入れは、市長としても悩ましい事項に違いない。
知事VS函館市長。札幌までの新幹線伸長と引き換えに、在来線の廃止が条件となった昨年。函館市は最後まで抵抗していたが、新幹線走行路線の周辺自治体がその条件を飲んだため、孤軍奮闘していた函館も涙を飲み、道側に押し切られてしまったのだ。
元通産官僚“はるみ知事”の“包囲戦術”の、圧勝だった。
今度もその戦術で、じわじわと函館市長の首を絞めるに違いない。
※川にいたサギが飛び立った瞬間。


どう戦う函館市長。瓦礫処理を引き受ければ「大間原発凍結宣言」は、春の雪解けと同じく、一気に融ける可能性が出てきそうである。
はるみ知事は、相当な戦上手である。函館市長が連敗を免れるためには、市民を味方に付けることしか手はないだろう。
しかし、残念ながら昨年当選した函館新市長、歴代続いていた「市長移動室」という、市民の中に出向いて対話するという事業を中止し、意見があれば直接出向いてきなさいという方向に変えてしまったのだ。
今までの「移動市長室」は、効果がないと判断してしまったようだが、市民にとっては、市長と直接話せる絶好のチャンスだったのである。
市長の大間原発中止宣言も、市長独断のきらいが感じられる。住民投票などを行い、市民の意見を集約してから行動に出るのが、戦いの常套手段だろう。
馬に乗り、自分だけ先走っては、戦巧者“はるみ知事の術数”にはまるだけである。
最後には「政治判断」などと、首相の真似などしないでほしいものである。
「政治判断」とは「国民の声を無視する」という、意味だからである。


橋ズム

2012年04月08日 09時45分15秒 | えいこう語る
大阪市営地下鉄の助役(54歳)の吸ったタバコの煙で、火災報知機が作動し、運行に支障をきたした。
大阪市は今年1月にもタバコにまつわる不祥事があり、2月から駅員には全面禁煙を言い渡していたばかりだという。そんな最中、駅員を監督する助役の地位から考えれば、不適切極まりない事件だ。事の重大さからみれば厳重な処罰の対象であろう。
しかし、橋下市長「懲戒免職」の一刀両断を発表した。江戸時代であれば「市中引き回しの上、打ち首」という、お白州だ。
※たまたまカラスが飛んできて、まるで鷹のようなポーズをとっている。


威勢良く桜吹雪を見せたつもりだが、下手な田舎芝居を見せつけられている、感じがしてならない。
大阪の公務員は、財政が厳しい中、以前は背広まで支給されていたり、最近では刺青を見せびらかしたり、一般市民からは相当顰蹙をかっていることは聞いている。
財政再建には公務員改革が急務なことは理解できるが「見せしめ」は、遠山の金さんには似合わない。
国歌斉唱で歌わない教師を監視したり、言語道断の免職では“北朝鮮の僕ちゃん”と、なんら変わりはないだろう。
国民の多くは、大型新人橋下徹に、粋な裁きを期待しているのだ。
世の中の真の悪を一掃し、平和で安定した世の中を作ってほしいのだ。
「罪は罪。しかし、今までの長い間の努力はご苦労である。遠島(部署変え)を申し付ける」・・・そんな啖呵を切ってもらいたかったものである。
日本人は情に篤い民族である。今の政治が、国民の支持を失っているのは“情”がないからである。
「法的には問題があるのだろうが、負けてもいい」。などと啖呵をきるのは、野暮の野暮というものだ。
寒い冬も終わり、桜の季節ではないか。


桜の咲く前に

2012年04月06日 16時41分48秒 | えいこう語る
先日、函館市内でお通夜があり、終了後、故人を偲び一人居酒屋で酒を飲んだ。
例年になく寒く雪の多い冬だったが、近くの五稜郭公園の桜も後一月で満開になる。
※4月6日の雪


そんな今の季節にぴったりな「桜海老の刺身」が、今日のおすすめだという。桜海老をつまみながらおじさんのことを思った。
亡くなった親戚のRおじさん(82歳)の死因は肺炎だという。20歳の時、肺の大手術をしたというのは聞いていたが、今年の寒さが影響したのだろう。
亡くなった翌日、おじさんの若い時の活躍ぶりを耳にした。
昭和29年の台風15号。函館湾では青函連絡船洞爺丸が沈没し、日本海難史上最大の犠牲者を出した。当時おじさんは、椴法華村役場に勤務していた。
その時に同じ職場に勤務していた人から、聞いた話である。
小学校が台風で倒壊し、子供たちはお寺で授業を受けた。おじさんは上司に当時役場になかったカメラを購入してもらい、災害復旧の予算を獲得するため現場写真を撮り、書類を作成したという。役所としてはあたりまえの仕事だが、当時は予算獲得が大変だったようだ。おじさんは周囲が驚くほど徹夜で仕事をしたという。話してくれた元同僚は「あんなに熱心に仕事をし、身体を壊さないかと心配したものだ」というほどだったという。
その年、村長から「特別賞与」をいただいたそうだ。公務員で特別賞与など聞いたことがない。子煩悩だったおじさん、子供たちのために早く学校を復旧してやりたい、という一身だったに違いない。
おじさんが入るお墓は、その椴法華小学校の隣だ。お盆のお墓参りには、おじさんの先祖に、そのことを報告してこようと思う。
桜の咲く前におじさんが旅立った。
桜海老の刺身をいただきながら、おじさんとの一足早い花見を楽しんだ。
※4月6日の雪