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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

海向山(かいこうざん)

2010年04月08日 17時58分34秒 | えいこう語る
私の村は、恵山岬と銚子岬が海に突き出、U字型をしている。
集落は海沿いに点在しているが、その背後に恵山・海向山・丸山の三山がそびえている。
写真中央が海向山で、左が恵山だ。


恵山は噴火の跡がわかるような禿山だ。海向山は、生まれてこの方ただの丸い山だと信じていた。
昨年、信州信濃町の黒姫山の麓に出かけた。
丸い感じの黒姫山、岩肌が荒々しい妙高山。まるで形のちがう二つの山に魅せられた。
毎日釣りや昆布作業で沖から眺めては、恵山が妙高、海向山が黒姫と思い、信濃町の友人夫妻を思い出している。
昨日妻と山菜取りに出かけたとき写した写真を、今日確認して驚いた。
小学生が描く山のように、丸いと思っていた海向山に、モワイ像のようなでっぱりが7体ほど立っているのではないか。
緑が多いときは気がつかなかったが、枯れ木の今時分はこんな風に見えるのだ。
丸いという先入観が、気づかせなかったかもしれない。それともカメラのレンズを通すとこのように見えるのだろうか。
写真を見て大発見をしたようで、うれしかった。
黒姫山と、もう一つ、モワイ山というシャレた名前を与えることにした。
とブログを書いていたら、船頭さんから電話が入った。
隣町の大謀網にサクラマスが1,500匹入ったという情報だ。
明日の朝、昆布採取の作業をちょっぴりサボリ、2時間ほど釣りをしようかな、とのよからぬ相談である。
こんな相談は大歓迎だ。
モワイ山の大発見がある。なんだか今まで見たことのないサイズが、期待できそうな予感がする。


海と山の中

2010年04月07日 16時36分37秒 | えいこう語る
昨夜遅くまで雨が降っていた。
天気予報では翌日は午前9時頃から晴れ、波の高さ3メートル、北西の風、寒気が入っているので風が冷たいとなっていた。
予報はぴったりだ。
日の出の5時過ぎは水平線上には雲が立ち込め、朝日は薄曇の中から登場した。


上空の雲が大きな魚拓のようだ。こんな日はサクラマス釣りに出かけると大物が狙えそうだが、本業の昆布漁に出かける。
今日は作業している船の横に風が吹いているので、それにつれ波も横波になる。
横波をかぶって沈没、そんな状況だ。
周囲を見渡すと沖には私たちの他に、もう一艘しかいない。
やがてその船も作業を終え私たちの船に近づいてきた。
「波出てきて作業しずらいから、帰ったほうがいんでないか」というわけで、早々に切り上げ、10時に帰港。
天気がよく風があるので、昆布は見る見るうちに乾く。昆布干し日和である。
ミシンをかけていた妻に「天気がいいので山菜取りにでもいかないか」というと、にっこり笑った。
春の野山は気分爽快になるからだ。
雪が残っていて、山菜はまだ落ち葉の下で眠っているらしい。
鹿のおびただしいフンがあちこちに落ちている。鹿も山菜を探しに来たのだろう。
谷の下をのぞくと、雪解け水で増水した川が、ごうごうと音をたて、元気よく流れている。
釣りの好ポイントだ。岩魚や山女が潜んでいるに違いない。


山女は大きいサイズでも30~40センチほどだが、海に下ったのはサクラマスと呼ばれ、5キロを上回るものもある。
なんとも不思議な自然の生態である。
サクラマスにはずいぶん楽しませてもらった。
今年はちょっぴり真剣に山女にも挑戦しようと思う。
海峡の女王もきれいだが、渓流の美少女もなかなか魅力的だ。
解禁は6月1日からである。


生まれて始めて釣った魚

2010年04月06日 14時53分51秒 | えいこう語る
エイプリルフールに、女優の松坂慶子さん級のサクラマスを釣り上げ、ブログで自慢した。
実はその時、鱈とスケトウタラも釣り上げたのだ。


写真上が鱈で、下のやけに痩せているのがスケトウタラだ。
鱈は漢字のとおり、雪が降る季節が旬であるが、年中釣れるらしい。
小さいのを地域ではポン鱈と呼ぶ。ポンとはアイヌ語で(可愛い、とか、小さい)という意味だ。
10キロを越える超大物もいるので、このサイズでは、可愛い“たら”ありゃしない、というところか。昆布〆にし、刺身でいただいた。
スケトウタラは11月頃には、タラコになる卵を抱いて、形も大きくなる。
これはツイギィー級だ。
スケトウタラは「でんぶ」にした。


もちろん料理を作ったのは妻だが、「でんぶ」という呼び名、身体の一部を連想させ、私は好まない。
子供の頃から「そぼろ」と親しんでいたからだ。
色合いから「桜でんぶ」などともいうが、「桜そぼろ」のほうが、粋な感じがする。
鱈もスケトウタラも、生まれて始めて釣り上げたのだ。
しかも自分で釣り上げたスケトウ鱈の「そぼろ」は、日本一美味かった。
スケトウタラのたくさん取れる季節に、売り物にならないものをいただいて作るのが、そぼろ料理である。
だから、日本一美味しかったというのは、決して過言ではないのだ。


福寿草といか飯

2010年04月04日 16時47分17秒 | えいこう語る
ここしばらく海ばかり見て暮らしていた。
山に背を向けた生活だった。
昨日は船頭さんの用事で、昆布漁が休みだった。
ぽかぽかした日差しなので、庭を歩いてみた。
銀杏の木の下に福寿草が咲いていた。


我が家の庭で、今年一番先に咲いた花だ。
銀杏の木の下なので、黄色い色をしているのかと思ったが、福寿草はもともとこんな色なのである。
我が家の庭は、4月下旬には桜と梅の花が同時に咲き、5月には恵山つつじが咲き始める。
毎年同じパターンなのだが、日溜りに黄金色の福寿草を見つけたときは、いつもいい気分になる。
今年もとってもいい気分だ。
妻がいか飯を作ってくれた。


東京のデパ地下の全国駅弁大会で、連続39年王座を譲らないという。
私の村から車で1時間ほどの、森町という所の名産だが、小柄ながら見上げたものである。


「漁師見習56」漁師になった気分

2010年04月03日 12時38分21秒 | えいこう語る
漁をするときのゴムガッパは、ホームセンターで購入していた。
なんとなくアルバイトという雰囲気が、周囲も自分も感じている。仕事の内容も一年を過ぎると、大体理解してきた。
4月になり気分一新、漁業組合の購買部に出かけ、漁師が使用するゴムカッパを購入してきた。


漁業組合の購買部など、普段は入ったことがない。ちょっぴり緊張した。
真白に青。シーガルという表品名だ。
外見から入っても、なんとなく気持ちが引き締まるものだ。
2日、昆布作業。
お昼ごろから突風が吹き、昆布を満船にすると波が船に入ってくるようで、結構恐ろしかったが、鎧兜で戦場に出ている感じで、ちょっぴり安心感のようなものがあった。
港に着き昆布作業を終え帰宅すると、風はさらに強く吹き、カモメの大群が海岸近くへ避難していた。


ゴムガッパを洗ったが、水捌けも良かった。
私のシーガルは、洗濯干し場に風に吹かれながら休息した。