
写真は座敷牢ではない。
店のすぐ近くに銚子トンネルがある。それと繋がっているのがこの滝ノ沢トンネルである。
結構古いトンネルで狭いし暗い。そこで明り取りに海に向かう穴を掘ったのが、この場所である。
落石の危険があるので、最近鉄枠をはめ出入りできぬようにしたようだ。
でも座敷牢を連想する。見ているうちにこんなことを思い出した。
先日「あなたの大好きな人がテレビに出ていた」と妻が言う。
歌手の桂銀淑さんのことだ。
彼女は覚醒剤の使用で、韓国に強制送還され、高齢の母親と二人で小さなアパートに住んでいた。
日本のテレビ局が取材に行ったら、小さなコンサートホールを貸し切って、元気な歌を披露してくれた。日本の自宅は荷物も持ち出せなかったらしい。早く日本に帰りたいと話していたという。
48歳になったが「日本にいた時よりきれいになったみたい」という、妻の言葉がうれしかった。
弁護士が10年ぐらいで戻れるでしょうと、コメントしていたという。
桂さんの歌をはじめて聴いた時、すぐCDを買いに出かけたほど、その歌声に魅了された。以来最も好きな歌手の一人だ。
逮捕後も変わらずフアンでいる。
今度日本で歌える時は、私が70歳を超えているかもしれないが、テレビに出たときは拍手を持って歓迎したいと思っている。
フアンとはそんなものである。