函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

福島原発事故は終わっていない

2024年03月13日 14時24分32秒 | えいこう語る
▼東日本大震災から13年が経った。町並みは復興しているが、問題は福島原発事故だ。いまだ故郷に戻れない人がいる。

▼大震災の影で、原発事故の危険性が忘れ去られている。自然災害は復興可能だが、原発事故は復旧不可能だ。メルトダウンで出たデブリ(推定880トン)も、手つかずだ。

▼メディアも大震災を強調するが、東日本での震災による最大の被害は、福島原発事故だ。
原発事故は生まれた土地からの移動を余儀なくされる。

▼ウクライナやパレスチナ難民と同様な仕打ちを、電力会社とそれを推し進めた国に、強制移動されたような感じだ。

▼震災後の2013年、NHKスペシャル「メルトダウン」取材班の【メルトダウン連鎖の真相】(講談社)という、分厚い本を読んだ時、取材班のこんな感想が目に焼き付いた。

▼【震災という目に見える被害にとどまらず、長期にわたり人の活動を制限してしまう、核の持つもう一つの脅威を感じた。・・・‟人間は核を制御できるのか”】という、問い掛けだ。

▼この言葉を思い出したのは、2023年から始まった、福島原発汚染水の海洋放棄だ。水に溶けないトリチウムを含んだままの汚染水。

▼アベシンゾウは「汚染水は完全にコントロールしている」と、五輪招致に向け世界に噓をついた。さらに「復興五輪」などと、勝手に言い放った。

▼だが汚染水の海洋放棄で、中国が日本の水産物の購入を、全面ストップした。さらに「賠償制度」の創設も要求している。

▼原子力災害は「長期にわたり人々の活動を制限してしまう」と、NHK取材班は指摘したのが、この中国の制裁に現れている。

▼原発に使用する濃縮ウランは。米国から購入することになっている。「日米原子力協定」があるが、日本の原発政策は、米国に握られている。

▼この協定を米国に破棄されたら、日本は再処理工場を建設しなければならない。そしてプルトニウムを保持することになる。

▼つまり日本の単独での原発稼働は、核爆弾の燃料を保持するとみなされ、北朝鮮と同様の国だとみなされる。

▼「日米安保条約」と同様、原子力問題は米国にイニシアティブを握られている。対米従属が前面に出る構図だ。

▼それを中国は理解しているので、日本に圧力をかけてくる。米国と中国は台湾問題を抱えているからだ。

▼一朝有事となれば、「集団的自衛権行使」で、日米軍事同盟が作動し、日本も参戦することになるだろう。それに対する中国の牽制が輸入禁止であり、さらなる罰則による規制だ。

▼日本はIAEA(国際原子力機関)との連携の中で、汚染水の確認を行っている。IAEAは国連の保護下にある自治機関だ。

▼たぶん原子力問題の世界的イニシアティブも、米国が握っているのだろう。それが中国の、対日本への強硬姿勢につながっている。

▼さらに中国が懸念するのは、我が国の「43兆円」の防衛費の増大だ。何のための防衛費の増大か。

▼軍事同盟国の米国に言われた、対中国政策だと、中国は考えるのが正常だ。中国も原発の排水は、日本の基準値以上の高さで、排出しているようだ。

▼中国は自国のことは、他国の干渉を許さない。敵対する米国と日本は軍事同盟国だから、中国は日本に対抗意識を燃やす。靖国神社への自衛隊の参拝など、最も懸念しているのかもしれない。

▼「人間は核を制御できるのだろうか」。この問いは、「制御できない」というのが、正解なのだろう。

▼核爆弾は地上最強の兵器だ。プーチンは、戦争を終わらせるために「核兵器使用」を明言している。

▼そんな状況下で、日本はなぜ原発再稼働を打ち出したのだろうか。そこには「日米原子力協定」があるからだ。もちろん「日米安保」や「地位協定」もだ。

▼【原子力基本法】には、当初「原子力利用は平和の目的に限り」とあったが、その後付け加えられた条文には『我が国の安全保障に資する』とある。

▼つまり「原発再稼働」とは、安全保障のために‟核爆弾”を製造する目的のために、稼働すると解釈するのが正解だ。

▼そもそも地震列島には、原発施設は無理だったのだ。だが「原子力の平和利用」という米国の発声に、のっかったように見せかけ、実は「9条」を改正したら、軍隊に‟核爆弾”を持たせるという、目論見が隠されていたのだ。

▼小国日本が軍隊を持つような国になれば、最強兵器(核爆弾)の所有は当たり前だからだ。電力がなければ産業は育たない。そして国家の繁栄もない。

▼当然の論理だが、人類の進化は破滅に行き着くのではないかという、恐れしか浮かばない。

▼原子力ではない、新たな電力の供給を訴えるのが、福島原発事故が伝える、国民への教訓ではないだろうか。

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