函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
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堤未果の「ショック・ドクトリン」を読み終えて

2023年08月17日 15時47分15秒 | えいこう語る

新書で購入した堤の本を読み終えたら、まるで中学時代から使っている国語事典のように、よれよれになっていた。付箋はびっしり張られ、傍線だらけだ。

 

これからも何度も付箋がついた個所を、読み返すことになるだろう。コロナのパンデミック以来、政府の思惑がよく理解できず「ぼんやりした不安」を感じていた私に、的確な答えを与えてくれた内容だったと感謝している。

 

この本からブログを書こうと思えば、かなりの数の内容になるはずだ。だが町内会のお祭りと酷暑で疲れ果て、11日で満75歳を迎えた老体にとって、それは過酷だ。

(ここで妻の声が聞こえたような気がする。その割には、お酒の飲み量は減らないわネ!)。

 

「省略こそ長生きの秘訣」という、勝手な教訓に沿って、この本の「おわりに」という文章を引用させてもらいたい。

 

堤は2022年1月。台湾のデジタル担当大臣、オードリー・タンとオンラインで対談している。その際マイナー保険証に話になった。

 

台湾はコロナ禍の初期、オンラインで提供したマスクの在庫地図とアプリによって、買い占めパニックと感染拡大防止に成功している。(我が国のアベのマスクなど、笑止千万だ)。

 

その秘訣を聞くと、オードリーはこう答えた。【憲法の範囲内でやることです。緊急事態だからと言って、決して権力を集中させてはならない】と。

 

この言葉を聞き、堤は1946年7月21日の、第13回帝国憲法改正案委員会での、当時の憲法担当大臣、金森徳次郎の答弁を思い出したという。

 

【国家緊急権は緊急事態を理由に憲法が破壊される危険がある。緊急のときは、今ある法律で対応すべし】。なんとも腹の座った大臣だ。

(我が国のコウノタロー・デジタル大臣など、ハナタレ小僧だ)。

 

災害時に内閣に権力を集中させようと、成立に躍起になる【緊急事態条項】などは、政府が伝家の宝刀を簡単に使える体制になり、やりたい放題の総仕上げとなる危険な改正だと、堤は指摘する。もちろん私も同意見だ。

 

9:11の時ニューヨークにいて、現場を目の当たりにした堤は、その後の米国はテロとの戦いという、無期限の『緊急事態』を手に入れた政府と軍と警察の、やりたい放題になったという。

 

堤は一番大事なことは、どちらが正しいか間違っているかという善悪ではなく【おかしいな】と感じる自分の直感をキャッチする感性を持ち続け、最後まで「選択肢」を失わないようにすることだと締めくくった。

 

私は読書終了後、この本に拍手を送った。


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