函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

アビガン731

2020年05月14日 10時55分30秒 | えいこう語る

▼人間は時代の変遷の中で、似た様な過ちを繰り返す動物らしい。今日(15日)の北海道新聞の見出しだ。【日本アビガン外交に力】「マスク支援中国対抗」だ。

▼日本政府は新型インフルエンザ薬「アビガン」が、新型コロナに効果があるとし、世界各国に無償提供する意向だ。すでに中国は、収束支援に向けたけた国際貢献として「マスク外交」を行っている。

▼日本は「アビガン外交」で、中国に対抗しようという魂胆らしい。すでに80ヶ国から依頼を受けているという盛況ぶりだ。

▼しかし、アビガンは副作用の恐れがあるため、日本側は免責を文書で取り決め、臨床データーの提供を求めているという。何か喉に引っかかるものがある。

▼常石敬一著、1995年発行の「731部隊・生物兵器犯罪の真実」という本の、ある文章を思い出した。「731部隊」とは、我が帝国日本陸軍が中国で行った「生物兵器」製造のために、人体実験を行なった部隊のことだ。

▼【現在、生活のいろいろな面で先進諸国と比べてハンディを負っている発展途上国では、結核も赤痢も、あるいはコレラも、よく流行している病気に数えられる。そして、生活環境というインフラの改善には莫大なお金がかかるので、先進諸国は最も安上がりなワクチンの援助を続けている。もちろんワクチンで多くの生命が救われていることは間違いないが、救われた生命が相変わらず劣悪な生活を強いられることは変わらない】。

▼ワクチンは液状で、アビガンは錠剤だが、35年前の本に書かれていることと、内容は同じでないだろうか。「アビガン外交」などというのは「人道支援」という名の「人体実験」と何ら変わらないのではないか。

▼さらにこの本にはこのような記述もある。【結核のワクチンであるBCGや抗生物質のペニシリンなどでも繰り返された。BCGの場合は、中国の子供たちを使って人体実験を行った。子供たちはBCGを受けた数か月後に、結核菌を接種され、ワクチンの効き目を確かめる実験台となった】とある。

▼中国は日中戦争時の歴史的経緯から、日本の「アビガン外交」を批判するに違いない。さらに、アビガンの副作用を世界各国で調べさせ、副作用が少ないことは確認されたうえで、初めて日本で使用するということも、批判するだろう。

▼富士フイルムの新たな「アビガン」への挑戦には、敬意を称する。だが世界的な「人体実験」ではないかと思わせる日本政府の行動には、人類の「生存と進歩」という名の下に「道徳や倫理」というものが欠けていやしないかと、一国民として手放しには喜べないものがある。

▼「731部隊」が敗戦後、研究資料を米国に提供することにより「戦犯免責」となり、その後多くは、日本医学会への復帰を果たしている。

▼東京裁判でのA級戦犯の処刑により「戦争責任」は終了した、という考えが日本人には多い。「戦犯免責」は、昭和天皇もその一人だ。昭和天皇も自らその責任について、国民に語りかけることなく、世を去った。

▼ノーベル賞作家の大江健三郎の言う「曖昧な日本」とは、2020年の「コロナ問題」で、また日本国民へ「歴史を正確に学ぶ」ことの大切さを、訴えているような気がする。

▼「災害は忘れた頃にやって来る」という教訓がある。災害は自然災害とは限らない。我が国の基本秩序を根底から覆す、アベ政権下での【憲法改正】も、大災害の一つではないだろうか。

▼コロナが蔓延する我が国で、忘れてはならない「731部隊」の、業績!?だ。

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