函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
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IR法(カジノ法)とアイヌ新法と【令和】

2019年04月05日 17時00分42秒 | えいこう語る

▼新千歳空港から近くて、IR法でカジノを誘致しようとしているのが苫小牧市だ。その近くの白老町に、アイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間=ウポポイ」が建設中だ。

▼明治32年成立の「旧北海道土人法」は、アイヌ民族の保護という目的だったが、内情は「同化政策」で「植民地化」と言っても過言ではない。「土人法」というのは人種差別そのものだが、廃止されたのは平成9年だ。

▼「和人というものが持つ法律、その法律をわれわれも真似させられ、われわれが持ってよかったもの、われわれが言ってよかったもの、アイヌの言葉であったが、それが呪われ消え去っていった」。・・・アイヌ民族初の参議院議員茅野茂さんが、知人への弔辞をアイヌ語で述べた文章の抜粋である。

▼茅野さんは著書【アイヌの碑】でこうも語る。『私たちは旧土人などではない。アイヌモシリ(人間の静かな大地=北海道)という「国土」に住んでいた「国民」だった。明治になってから本格的にシャモ(和人)が「侵略」し土地の略奪を正当化した。私たちアイヌは、アイヌモシリを「日本国」に売った覚えも貸した覚えもない』。

▼アイヌ民族を「先住民族」と明記するアイヌ新法は、間もなく成立する。新法案は外国人観光客を増やす観光政策と連動した、国際発信の性格が色濃い中身になるという。

▼アイヌ新法の制定に際し、菅官房長官の意向が強かったといわれる。菅は北海道内の全空港の一括民営化にも熱心だ。新千歳空港からウポポイへの道路整備や国道36号の拡張なども行い「象徴空間もできて、北海道の観光はどんどん良くなる」と話している。

▼その発言には「苫小牧のカジノ構想」も視野に入っているのだろう。アイヌモシリ(人間の静かな大地=北海道)にカジノは不要だ。和人の「侵略」の次に、世界中から“博徒”がやってきて、夜通し『静かな大地』を騒がせるからだ。

▼アイヌ文化と観光産業。なんだかアイヌ文化そのものが「見世物」として扱われるような気がしてならない。なぜかというと、菅官房長官の沖縄人に対する「蔑視意識」が気になるからだ。

▼そして新元号【令和】を、アイヌ民族はどのように受け止めているのだろうか。【和人に命令される世】という、そんな忌まわしい過去を、思い出したのではないだろうか。

▼アイヌ新法は、アイヌ民族が求めた生活支援については、保守派から「特権」と批判され書き込まれなかったという。
(北海道新聞4月3日、「アイヌ新法色濃い観光戦略」から一部引用)。

▼茅野さんは参議院議員を1期務め「アイヌ文化振興法」を成立させ引退した。引き際の言葉が、真の武士道に通じる潔さだ。

▼【人(狩猟民族)は、足元が暗くなる前に故郷へ帰るものだ】。

▼アベ総理にもその閣僚にも、この言葉をかみしめてもらいたいものだ。

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