▼知床沖で観光遊覧船が沈没し、多くの犠牲者を出したのは記憶に新しい。その事故を踏まえ、人命尊重を第一に携帯電話の基地局4基の設置と、その電源確保のため、太陽光パネル264枚の設置が計画されている。
▼国に環境保全策を助言する「知床世界自然遺産地域科学委員会」は、希少動植物の調査を終えるまで着工見合わせを求めている。
▼近隣の斜里町は計画見直しに方向転換したが、羅臼町では漁業者の安全確保のため、計画を推進している。
▼だがこの事故の最大の原因は、天候不良と判断した遊覧船業者が、運航を中止したにもかかわらず、一社だけが運航し事故を招いたものだ。
▼出港した会社の経営方針、経験の少ない船長の雇用など、運航会社の体質そのものが事故を誘発したという事件だ。
▼北海道新聞20日に、北海道穂別の病院に勤務されている、精神科医香山リカさんが「ふあっとライフ」というタイトルでの、ほのぼのとしたエッセイを連載している。
▼精神科医らしく、人々の微妙な精神状態を、コミカルに表現し、読者に人間とは何かということを普段着で解説している。
▼今日のタイトルは、極一般的な『お金より大切なものがある』だ。しかし香山さんならではの視点が興味深く、一般的なタイトルに一味を加えている。
▼香山さんの文章には、押しつけがましさがない。それが精神科医という職業がなす、思いやりと心の安らぎのように思う。
▼穂別で最近「子ども食堂」が始まった。周に一回だがいつも大賑わいだという。子供は無料で大人は300円だ。
▼香山さんは診察が終わってからその食堂に出かけた。300円は安いと思い、経営も大変だと考えたので、1万円を支払い、おつりは皆さんの運営費に寄付したいと申し出た。
▼「農家の方や食材は無料で提供されているので、お気遣い入りませんよ」と言われた。香山さんは自分は感謝の気持ちでお金を出したのが、どこか‟お金で済むなら”という、そんな気持ちが自分の心の中に、あったことを恥じ入ったという。
▼「先生遠慮なく来てください」という言葉に癒され、いつかは食器洗いのお手伝いでもしてみたいと思ったという。
▼自己中心的な狭いものの考えが、普段何気なく口をつく。自分はそれでいいと思っているが、他人の心に届かないこともある。
▼知床の世界自然遺産の中で、今起こっている出来事も、世界遺産とは北海道や知床だけの局所的な話ではなく、世界遺産としての意義をしっかり考えて、判断するという姿勢が必要に思う。
▼函館市の南茅部地区の縄文遺跡群も、数年前から「世界遺産」となった。隣の地区に住んでいる私も、多少であるが周囲の住民に、その意義を理解してもらおうと、自分なりの行動をしている。
▼だが世界遺産という自覚を、なかなか持てない。住民に確実に意義を周知される努力より、世界遺産ありきの関係者の努力が、勝っていたように思う。
▼世界遺産登録のイベントに参加したが、世界遺産という意識の重さが、十分伝わるような感動的な内容ではなかった。
▼世界遺産に指定されれば、周囲の環境の保全が大切になる。だが住民は環境より自分自身の生活を重視する。
▼その貴重さが、人類全体のものという意識が持てないように思う。そんな「自分ファースト」の意識の奥に、多少であるが‟戦争”の原因も潜んでいるように思う。
▼香山リカさんの『お金より大事なものがある』というエッセイに重ねて思った、北海道にある二つの世界遺産の意義だ。
▼国に環境保全策を助言する「知床世界自然遺産地域科学委員会」は、希少動植物の調査を終えるまで着工見合わせを求めている。
▼近隣の斜里町は計画見直しに方向転換したが、羅臼町では漁業者の安全確保のため、計画を推進している。
▼だがこの事故の最大の原因は、天候不良と判断した遊覧船業者が、運航を中止したにもかかわらず、一社だけが運航し事故を招いたものだ。
▼出港した会社の経営方針、経験の少ない船長の雇用など、運航会社の体質そのものが事故を誘発したという事件だ。
▼北海道新聞20日に、北海道穂別の病院に勤務されている、精神科医香山リカさんが「ふあっとライフ」というタイトルでの、ほのぼのとしたエッセイを連載している。
▼精神科医らしく、人々の微妙な精神状態を、コミカルに表現し、読者に人間とは何かということを普段着で解説している。
▼今日のタイトルは、極一般的な『お金より大切なものがある』だ。しかし香山さんならではの視点が興味深く、一般的なタイトルに一味を加えている。
▼香山さんの文章には、押しつけがましさがない。それが精神科医という職業がなす、思いやりと心の安らぎのように思う。
▼穂別で最近「子ども食堂」が始まった。周に一回だがいつも大賑わいだという。子供は無料で大人は300円だ。
▼香山さんは診察が終わってからその食堂に出かけた。300円は安いと思い、経営も大変だと考えたので、1万円を支払い、おつりは皆さんの運営費に寄付したいと申し出た。
▼「農家の方や食材は無料で提供されているので、お気遣い入りませんよ」と言われた。香山さんは自分は感謝の気持ちでお金を出したのが、どこか‟お金で済むなら”という、そんな気持ちが自分の心の中に、あったことを恥じ入ったという。
▼「先生遠慮なく来てください」という言葉に癒され、いつかは食器洗いのお手伝いでもしてみたいと思ったという。
▼自己中心的な狭いものの考えが、普段何気なく口をつく。自分はそれでいいと思っているが、他人の心に届かないこともある。
▼知床の世界自然遺産の中で、今起こっている出来事も、世界遺産とは北海道や知床だけの局所的な話ではなく、世界遺産としての意義をしっかり考えて、判断するという姿勢が必要に思う。
▼函館市の南茅部地区の縄文遺跡群も、数年前から「世界遺産」となった。隣の地区に住んでいる私も、多少であるが周囲の住民に、その意義を理解してもらおうと、自分なりの行動をしている。
▼だが世界遺産という自覚を、なかなか持てない。住民に確実に意義を周知される努力より、世界遺産ありきの関係者の努力が、勝っていたように思う。
▼世界遺産登録のイベントに参加したが、世界遺産という意識の重さが、十分伝わるような感動的な内容ではなかった。
▼世界遺産に指定されれば、周囲の環境の保全が大切になる。だが住民は環境より自分自身の生活を重視する。
▼その貴重さが、人類全体のものという意識が持てないように思う。そんな「自分ファースト」の意識の奥に、多少であるが‟戦争”の原因も潜んでいるように思う。
▼香山リカさんの『お金より大事なものがある』というエッセイに重ねて思った、北海道にある二つの世界遺産の意義だ。