ウンジュさんの追慕アルバムを聴く。
このアルバムの企画を知った時、即、購入することを決めたが、この時はまだ気持ちとしては追慕というよりは追悼の気持ちであった。
しかし、このアルバムが形として見えてくるとともに、ネット上にこれに関連するいろんな情報、写真、映像が流れ、そしていま、このCDを手にとって、ジャケットの写真を見ているうちに、いつしか気持ちは追悼というより追慕の気持ちに変化してしまった。とくに、このCDジャケットに収められている目を閉じてマイクを持つ彼女の姿を見ていると、なぜか不思議な気持ちになってしまう。
残念で、悲しくて、目頭が熱くなるような、それでいて何故か吸い込まれるように心が落ち着くような、今までに経験したことのない不思議な感覚(感情)になる。
彼女の写真には、亡くなってしまったという想いも有るのだろうが、女優の華やかさではない、純真な不思議な美しさを感じる。
ところで、この写真、きっとネット上に同じものが有るだろうと思って探してみたが、なぜか無い。この時と同じであろうショットで目を開けたウンジュさんは有るのだが。
誰か彼女の写真集を作ってくれないだろうか。
なんか、こう書いていると、生前から彼女の大ファンだったみたいだが、じつは生前はそんなにでもなく、彼女の女優としての存在価値も、彼女にしか持ち得ないものも、深くは分っていなかった。残念ながら、彼女が亡くなってから、それに気付いたわけだ。いまさらで申し訳なく思う。
CDは、全部で13トラックで、その内の4トラックにウンジュさんが収められている。その4トラックの中の2トラックが、ウンジュファンにとって有名な「スカーレットレター(原題 주홍글씨:朱紅の文字)」の曲「Only when I sleep」である。ウンジュさんが歌っている曲としては、その曲「Only when I sleep」のデュオとソロの2曲だけだ。
ソロの方は曲としての仕上がりもかなりいい。ジャズ風にアレンジされていて、彼女の歌のうまさは玄人跣だ。
因みに、この曲はアイルランド出身のCorrsという兄妹のバンドで世界的にヒットした曲らしいが、試聴した限りではウンジュさんの方がいい。彼女、歌がうまいだけに、聴いていて目頭が痛くなる。
あと、「永遠の片想い(原題 연애소설:恋愛小説)」のメインテーマを、なんとウンジュさんが、可愛らしくピアノを弾いている。
そして、「愛と死を見つめて(原題 하늘정원:空の庭園)」のナレーションが有る。
けっきょく、追慕アルバム「Only One」は、この「Only when I sleep」のソロとデュオの2曲が残っていたおかげでアルバムとなり得たということのようだ(下記)。
いま、この「Only when I sleep」は名曲となった。
■ イ・ウンジュ 追慕アルバム Only One
このソロとデュオの2タイプのバージョンは、2004年にレコーディングされたそうで、今まで一度も一般公開された事がなかったものを、今回ウンジュさんの声を原音通リにリメークしてできたもののようだ。この「追慕アルバムOnly One」をリリースすることができたのは、映画「スカーレットレター」の音楽監督であったイ・ジェジンという人が、ウンジュさんの声を毀損せずそのまま保管していてくれていたおかげということのようだ。このように故人の音声を原本通リに再生、再構成するのは、韓国では初めてのことだそうである。
このCDは、所属事務所だった、ナムアクタースとエムネットメディアが共同で制作したもののようで、収益金の全額はイ・ウンジュファンクラブが中心である「故イ・ウンジュ追慕事業会(仮称)」に寄付され、短編映画制作や才能ある新人監督及び作家発掘などに使われる予定だそうである。
上の内容は以下の記事によるものだ。
■ innolifeNews 故イ・ウンジュの声、2年ぶりに歌で復活
CDジャケットの写真を見ながら「Only when I sleep」を何度も繰り返し聴いて思う、いったい、彼女に自らの人生を終らせなけらばならない何があったのだろう。
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