気まぐれ五線紙 Entertainment

 韓国エンターテインメントブログ

デイジー

2006年11月01日 | Movie



「デイジー」を観た。いつ観れるのかと楽しみにしていた映画だ。しかし、期待して待っていただけに、いまひとつの映画だった。残念。

最初、主人公三人のそれぞれの言葉で、背景と三人の流れを説明するのは、手法としても新鮮で、また解りやすかったのだが、その後がいけない。
メインのテーマである三人の心の動きはよく理解でき、三人の演技にも感動もするのだが、バックに流れる筋立てが解りにくい、理解しにくい。はっきり言えばおかしい。

まず、このストーリーを展開するスタートの部分なんだが、チョン・ウが所属する組織はアジアとヨーロッパを結ぶ麻薬ルートを追跡するインターポール(国際刑事警察機構)ということらしいが、この組織が広場での狙撃事件をなぜ扱うのだろうか。その必然性が描かれていない。ふつう、地元のオランダの警察の管轄だろう。襲撃したのは、たしかに麻薬組織ではあるのだが。説明が無い。

因みに、主演者はチョン・ジヒョンが「ヘヨン」、チョン・ウソンが「パク・ウイ」、イ・ソンジェが「チョン・ウ」だ。
広場での麻薬組織の襲撃に対して、最初の狙撃はパク・ウイが始めたのだが、ヘヨンを守るためのものであったのなら、一発だけでよかったと思うが。いつまでも打ち続ける必然性が画面から感じ取れなかった。
また演出的にも、この銃撃戦の結果、ヘヨンが打たれ、口から血を流すのだが、このシーンの血の色は、今までの流れとのギャップを強調すために、もっと人口的な赤色にすべきだったと思う。
また、インターポールが暗殺を依頼するだろうか? したとしても暗殺組織側も判るだろう。
ところで、麻薬組織と暗殺組織は別の組織なんですよね? 同じなら、パク・ウイはいくらなんでも、広場での狙撃は出来ないと思うが。
インターポールが暗殺を依頼した後、パク・ウイとチョン・ウが広場で会って、その後、車の中で二人で会話をするのだが、この時、チョン・ウは暗殺の依頼者が自分であることを話すだろうと思うが。
そしてこの後、パク・ウイがチョン・ウを殺さず、第二の殺し屋がこの場で殺すというのも、いまいちしっくりこない。
ほか、細かいのだが、筋立てでよく解らないのが、最後の方のシーンで、チャン刑事が誰かに紙袋を渡すシーンが有るが、このシーンは何を意味しているのか?
ヘヨンの個展開催日、4月15日にこだわったストーリーにしているが、この必然性もよく解らない。
演出的にも、ヘヨンとチョン・ウがドア越に再会するシーンでチョン・ジヒョンの動きが不自然に感じる。
ヘヨンが肖像画を描く仕事を終えて広場から帰る時、パク・ウイが何度か迎えにくるシーンがあるが、最初に迎えに来るシーンでヘヨンは何を待っていたのか?
チョン・ウがパク・ウイに雨の中襲われるが、包帯を巻くほど手には負傷していないが。
ヘヨンが声を失う前に録ったであろう電話の留守録が、ラストの方のものと、最初のものと異なっている。
ラストの方で、パク・ウイが「明日、すべてが分かる」と言う台詞が有るのだが、これもいまいちどういう意味なのかピントこない?
ラストでパク・ウイが組織のボス、チョウを殺しに行く時の階段でのシーンで、「マリヤ像」のようなものが落ちてきたり、また元に戻ったり、あれはなんだ?
雨宿りの種明かしのようなシーンが回想されていたが、これは、DVDをポーズで確認すると、たしかにパク・ウイとチョン・ウ(と、チャン刑事も)はいた。しかし、映画館ではこれは無理。

なんか、いっぱいクレームをつけてしまったが、三人の演技もよく、感情面では感動しただけに、もう少し何とかならなかったのかと思ってしまう。

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