夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

夕月夜

2012-10-22 21:13:03 | 日記
昨日の午前中は、組合の関係で、駅前での署名活動に参加した。

1時間で50人以上に声をかけて、16人の方に署名をしていただいた。中には、声をかけられただけで警戒する人もいるし、趣旨を説明しても「難しいことはわからん」と立ち去ってしまう人もいたので、親切に署名に協力してくださった方が本当にありがたく思えた。

場所が駅前だったせいか、他府県からの方も多く、大阪・神戸・愛知などから来られている方もいた。

いちばん驚いたのは、ご夫婦で署名していただいたお二人が、私が学生時代に何度か行った理髪店のご主人とその奥さんだったことだ。その理髪店は、県立図書館がまだ天神町にあったころ、その近くにあった。あるとき、私が県立図書館で丸谷才一さんの本を借りた後で髪を切りに行き、本はお店に預けておいたら、奥さんがその本に興味を持って、カットの間じゅう読んでいたことがあった。署名用紙に記入している横顔を見て、そのときのことを思い出した。

当然、私のことは忘れていたが、お店はまだ同じ場所にあるそうだ。なんだか、懐かしい気分になった。

さて、表題のこと。

昨日、備中国分寺近くで写真を撮っていたとき、何カ所かでコスモスがきれいに咲いていた。

コスモスの向こう側に五重塔が見える眺めもよかったが、私としては、夕月の淡い光に照らされて、色々に表情を変える、妖しくなまめかしい雰囲気のコスモスが印象に残った。

  夕月夜ほの照らすにぞ秋桜(あきざくら)さまざま花の色のうつろふ



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