テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 江戸から明治へ、時計は動く ~

2023-10-30 22:07:00 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 まんげつゥ~まるまるゥでしたでス!」

「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!木星もきらり!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 昨夜10月29日の満月『ハンターズムーン』はとてもクリアで、

 お月さまとランデヴーしているかのような木星にも見惚れました……

 今宵もプチ天体観測できるかな?と期待しながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 博物館の少女 ―― 

 

 

 著者は富安陽子(とみやす・ようこ)さん、2023年9月に発行されました。

 『A Girl at the Museum』と英語題名が、

 『騒がしい幽霊』と副題が付されています。

 2021年に刊行された『博物館の少女 怪異研究事始め』に続く

 《博物館の少女》シリーズ第2作ですよ。

 

「……でるゥ!」

「ぐるるる!」(←訳:出るのだ!)

 

 時代は明治16年、

 舞台は上野のお山の博物館――

 現在の国立博物館の元祖の元祖ともいうべき博物館、

 その敷地内に古~い蔵がありまして、

 掲げられている看板は

 《怪異研究所》。

 

 花岡イカル(はなおか・いかる)さんは、

 この《怪異研究所》に勤務する職員であり、

 また、博物館でただ一人の女性職員さんです。

 

 ……まあ本当は、勤め始めてまだ半年そこそこの、

 雑用を命じられるばかりの助手、なんですけど、

 “ただ一人の女性職員“という点を買われて。

 

「よびだしィ~でスよゥ!」

「がるるぐる~!」(←訳:すぐに来て~!)

 

 博物館本館の職員さんが

 研究所からイカルさんを連れ出したのは、

 政府の要人が博物館観覧にやって来たため、でした。

 

 陸軍卿の大山巌(おおやま・いわお)さんと、

 婚約者の山川捨松(やまかわ・すてまつ)さん。

 

 大山さんは

 西郷隆盛さんの実弟・従道(つぐみち)さんの従兄弟にあたり、

 その従道さんは博物館を管轄する農商務省の長官、

 という政治的な背景がありまして。

 

「きんちょうゥでェ、どきどきィ……!」

「ぐるるがるるるるぐるる!」(←訳:ミスがありませんように!)

 

 幸いにもイカルさんは、

 唯一の女性職員として無事に

 女性の賓客を案内することが出来ました。

 

 会津出身の捨松さんは優しい御方で、

 観覧を終えて帰ってゆく捨松さんを

 イカルさんはあたたかな気持ちで見送ったのですが。

 

 年の瀬も迫る頃、事態は急展開!

 

「しんぶんでェ、ざわざわッ?」

「がるるるぐる~!」(←訳:こんなの嘘だ~!)

 

 新聞が盛んに書き立てるのは、

 大山巌さんのもとに嫁いだ捨松さんの噂話や、陰湿な悪口。

 

 そこに、大山家で怪異が連続!と

 捨松さんの兄である東大教授・山川健次郎さんが相談に来たのでは、

 《怪異研究所》が動くしかありません。

 

「いかるちゃんッ、でばんでスッ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:まずは大山家へ!)

 

 はたして、怪異の真相は……?

 

 前作では絵師・河鍋暁斎さんと娘のさとさん、

 そして今回も明治期に活躍・実在した人物さんが多々登場し、

 物語を彩ります。

 (私ネーさ、建築家の辰野金吾さんの妹さんが

 捨松さんの兄・山川健次郎さんと結婚していた、と知って

 もうビックリいたしました!)

 

 近代日本の歴史&人物模様も描き込まれ、

 ハロウィーンの季節にぴったりの一冊を、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

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