「こんにちわッ、テディちゃでス!
まんげつゥ~まるまるゥでしたでス!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!木星もきらり!)
こんにちは、ネーさです。
昨夜10月29日の満月『ハンターズムーン』はとてもクリアで、
お月さまとランデヴーしているかのような木星にも見惚れました……
今宵もプチ天体観測できるかな?と期待しながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 博物館の少女 ――
著者は富安陽子(とみやす・ようこ)さん、2023年9月に発行されました。
『A Girl at the Museum』と英語題名が、
『騒がしい幽霊』と副題が付されています。
2021年に刊行された『博物館の少女 怪異研究事始め』に続く
《博物館の少女》シリーズ第2作ですよ。
「……でるゥ!」
「ぐるるる!」(←訳:出るのだ!)
時代は明治16年、
舞台は上野のお山の博物館――
現在の国立博物館の元祖の元祖ともいうべき博物館、
その敷地内に古~い蔵がありまして、
掲げられている看板は
《怪異研究所》。
花岡イカル(はなおか・いかる)さんは、
この《怪異研究所》に勤務する職員であり、
また、博物館でただ一人の女性職員さんです。
……まあ本当は、勤め始めてまだ半年そこそこの、
雑用を命じられるばかりの助手、なんですけど、
“ただ一人の女性職員“という点を買われて。
「よびだしィ~でスよゥ!」
「がるるぐる~!」(←訳:すぐに来て~!)
博物館本館の職員さんが
研究所からイカルさんを連れ出したのは、
政府の要人が博物館観覧にやって来たため、でした。
陸軍卿の大山巌(おおやま・いわお)さんと、
婚約者の山川捨松(やまかわ・すてまつ)さん。
大山さんは
西郷隆盛さんの実弟・従道(つぐみち)さんの従兄弟にあたり、
その従道さんは博物館を管轄する農商務省の長官、
という政治的な背景がありまして。
「きんちょうゥでェ、どきどきィ……!」
「ぐるるがるるるるぐるる!」(←訳:ミスがありませんように!)
幸いにもイカルさんは、
唯一の女性職員として無事に
女性の賓客を案内することが出来ました。
会津出身の捨松さんは優しい御方で、
観覧を終えて帰ってゆく捨松さんを
イカルさんはあたたかな気持ちで見送ったのですが。
年の瀬も迫る頃、事態は急展開!
「しんぶんでェ、ざわざわッ?」
「がるるるぐる~!」(←訳:こんなの嘘だ~!)
新聞が盛んに書き立てるのは、
大山巌さんのもとに嫁いだ捨松さんの噂話や、陰湿な悪口。
そこに、大山家で怪異が連続!と
捨松さんの兄である東大教授・山川健次郎さんが相談に来たのでは、
《怪異研究所》が動くしかありません。
「いかるちゃんッ、でばんでスッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:まずは大山家へ!)
はたして、怪異の真相は……?
前作では絵師・河鍋暁斎さんと娘のさとさん、
そして今回も明治期に活躍・実在した人物さんが多々登場し、
物語を彩ります。
(私ネーさ、建築家の辰野金吾さんの妹さんが
捨松さんの兄・山川健次郎さんと結婚していた、と知って
もうビックリいたしました!)
近代日本の歴史&人物模様も描き込まれ、
ハロウィーンの季節にぴったりの一冊を、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪