テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 変調&危険!なロマンノワール ―

2015-08-24 21:45:05 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 うわわァ~んッ! しょうげきィでスゥ!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!動揺だよう!)

 こんにちは、ネーさです。
 ブエルタ・ア・エスパーニャでまず椿事が!
 優勝候補のひとりニーバリ選手(国籍はイタリア、所属はチームアスタナ)が失格?
 次はセリエAで悪夢が!
 ユヴェントスがホームの開幕戦で敗けちゃった??
 ええええ~っ!!!

「ネーさッ、しッかりィ!」
「ぐるがるる!」(←訳:目を覚まして!)

 えーと、呆然自失中の私ネーさですが、
 読書タイムは遂行いたします。
 本日は、日本屈指のフットボールマニアでもある
 あの作家さんの作品を、どうぞ~!

  



           ―― アンタッチャブル ――



 著者は馳星周(はせ・せいしゅう)さん、2015年5月に発行されました。
 先だっての直木賞候補作となったことからもお分かりのように、
 エンタ度MAX!な涙と笑いの警察小説です。

「……なみだとォ?」
「……がるぅ?」(←訳:笑いぃ?)

 デビュー作『不夜城』、
 大藪春彦賞受賞作『漂流街』など、
 ロマンノワール、あるいはハードボイルドの香りがする作品で
 人気を得ている著者・馳さん、ですが。

 この御本には、いままでの作風とは
 “ちょっと違う何か”が加味されているようです。

 物語の始まりは、
 警察の庁舎の、廊下。
 そこを歩いてゆくのは――

「むゥ? あのひとォ、げんきィないィでスねッ?」
「ぐるがるる!」(←訳:顔色暗いよ!)

 宮澤武(みやざわ・たけし)巡査部長の表情が
 どんよりと冴えないのは、
 突然の人事異動のため、でした。

 はっきり言ってしまいますと、宮澤さん、
 ひどい失敗をやらかしちゃったのです。

 捜査一課での居場所を失い、
 彼がやって来たのは、
 公安部外事三課……。

「あううゥ~、それはァ~…」
「がるるぐる~…」(←訳:キツいねえ~…)

 同じ警察組織といっても
 全く馴染みがない部署で、
 宮澤さんが着任することになったのは。

 身長190㎝はあろうかという巨漢、
 椿(つばき)警視のもとでの職務。

 しかし……警視の席が置かれているのは……
 資料室?
 
「ッてェ、つまりィ?」
「ぐるるるる!」(←訳:やられたあ!)

 ええ、やられました。

 宮澤さんもミスをして飛ばされたクチですが、
 椿警視は、もっとアブナい前歴をお持ちのようです。
 上司さんたちは、
 下手に椿警視をトバしたらどんな災難が降ってくるかと恐れ、
 閑職を与えて素知らぬフリ……?

 けれど、そこへ宮澤さんというカードが投げ込まれると。

「あはァ! かがくはんのうゥ、でスかッ♪」
「がるるぐるるる!」(←訳:何かが起きそう!)

 椿警視の本性、いえ、性格を把握する間もなく、
 彼のペースに巻き込まれてゆく宮澤さん。

 こんなの、妄想に違いないよ、
 ヤキが回ってるんだよ――
 と思われた警視の観察と推理の果てには、
 なんと、途方もない事件の影が?

「ひょうたんからァ、こまッ?」
「ぐるるがるるる!」(←訳:棚からボタモチ!)

 マジメな警察小説としての側面と、
 まったくマジメでない笑えちゃう場面を噛み合わせ、
 物語は超高速で快走します。

 椿警視と宮澤巡査部長の迷コンビ、
 金星をあげられるんでしょうか……。

「しんぱいィだけどォ~…」
「がっるぐるるる!」(←訳:きっと心配無用!)

 元気いっぱいの変種ロマンノワール、
 一級のエンタ本をお探しの活字マニアさんにおすすめです。
 ぜひ手に取ってみてくださいね~♪
 


 
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