テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

怒りが、ふつふつ!

2014-10-07 21:49:24 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わおおゥ? のーべるしょうッ!」
「がるる!ぐるーるっ!」(←訳:虎です!すごーいッ!)

 こんにちは、ネーさです。
 赤崎教授、天野教授、中村教授の御三方がノーベル物理学賞受賞、と聞いて、
 日頃からLED照明の恩恵を受けている私たちは大拍手&あらためての感謝を。
 さあ、では、本日はちょこっとウキウキした気分で、
 読書タイム開始の鐘を鳴らしてみましょ~♪

  



              ―― 消えた名画 ――



 監修は大友義博(おおとも・よしひろ)さん、2014年9月に発行されました。
 ……えーと、そのぅ、
 アガりかけていたテンションが地獄へ急降下!になっちゃいそうな、
 アート系ノンフィクションの新刊です。

「きえるゥ~、とはッ??」
「ぐるっるー!」(←訳:トリッキー!)

 ああ、これが手品のトリックの類であったら
 どんなに救われることか――

 アート好きな御方はみな、そう思っているでしょうね。
 
 世の中には、消えてしまうものもある――
 寿命とか、経年劣化とかの原因ではなく、
 ヒトの悪意によって消されてしまうものも、
 少なからず在る、んです。

 御本の表紙には、ほら、その象徴ともいうべき傑作が。

「あはァ! このォ、ふでづかいィとォ、しきちょうゥ!」
「がぅるるーるぐるぐる!」(←訳:フェルメールさんだね!)

 ヨハネス・フェルメールさん作『合奏』。

 この作品は、1990年3月18日、
 米国ボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館から
 盗み出されてしまいました。
 さらに、レンブラントさんの作品3点、
 ドガさんの作品複数、
 中国・殷時代の青銅の杯など
 合計13点の美術品が盗難の被害に遭ったのです。

「ひッどォ~いィ!」
「ぐるがるるるー!」(←訳:早く見つけてー!)

 世界中のフェルメールさんマニア諸氏も
 そう切望しているはずですが、
 被害総額2億~3億ドルとされる作品群の行方は
 いまもって不明のまま……。

 他にも、どれほどの作品が
 あるべき場所から失われてしまったか、
 御本の本文60ページに記されていて
 なんというか、これって……怒り百万倍ー!!!

「おこッてェ~いいぞゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:激怒も当然!)

 たぶん、もっと多いんでしょうね、
 盗まれてしまった絵画や彫刻の数は。
 と、暗澹たる気持ちになりかけたところで、
 御本の後半には
 少しだけ明るい兆しが。

 《戻ってきた名画》――

 盗難の危機をくぐりぬけ、
 美術館(所有者)に戻ってきた絵画もある、んですって!

「おおッ! それはァ~!」
「ぐぅっるるるがるるる!」(←訳:ちょっとだけめでたい!)

 ルーヴルの『モナ・リザ』。
 ムンク美術館の『叫び』。
 アグニュー画廊の『デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナの肖像』。
 ゴッホ美術館の『ひまわり』……

 戻ってきても、素直には喜べまないのが、また悲しい。
 額からナイフで切り取られ、
 折りたたまれたり丸められたりしたら、
 どんな名画も無傷ではいられないのですから。

「やぱりィ、いかりがァ~!」
「がるがる!」(←訳:ふつふつ!)

 アート好きな活字マニアさんは、
 ただもう嘆息……となりそうな御本ですが、
 収録されている図版資料は質が高く、
 印刷もきれいです。

 もうこの作品を観る機会はなにのだろうか……と惜しみつつ、
 ぜひ、御一読くださいね。
  
 

 

 
 
 
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