テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 風の音楽 ~

2016-09-29 22:18:27 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでッス!
 むッ? きょうはァ、みなさまもォ、ごぞんじのォ~…」
「がるる!ぐるるるるる~!」(←訳:虎です!招きネコの日~!)
 
 こんにちは、ネーさです。
 はい! 今日9月29日は《招き猫の日》だとか♪
 ならばネコパンチ、いえ、招きポーズを決めながら、
 本日も楽しく読書タ~イム!
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



          ―― 音楽する日乗 ――



 著者は久石譲(ひさいし・じょう)さん、2016年8月に発行されました。
 前々回記事では、
 スタジオジブリの鈴木敏夫さん著『ジブリの仲間たち』を御紹介しましたが、
 こちらは、いわば“ジブリつながり”!
 宮崎駿さん、高畑勲さんの映画音楽といえば
 この御方ですよね♪

「ふァいッ! ひさいしィさんでスゥ!」
「ぐるる~!」(←訳:大好き~!)

 この御本は、久石さんが
 雑誌『クラシック・プレミアム』に
 隔週で連載した2年間分の文章をもとに再構成したもので、
 以下のような五つのパートから成っています。

  Ⅰ……振る

  Ⅱ……伝える

  Ⅲ……知る

  Ⅳ……考える

  Ⅴ……創る

 ジブリ好きな私たちにとって、
 久石さん=映画音楽の作り手さん
 という認識が先行しがちなんですけれど、
 御本冒頭の『はじめに』で、
 久石さん、はっきりと宣言しています。

  《僕は作曲家である》。

 そして、
 
  《もう一度生まれ変わっても作曲家になりたい》

 とも、述べておられます。

「てんしょくゥ、なのでスねッ!」
「がるぐる!」(←訳:天命かも!)

 作曲家であることを強く意識している久石さん、
 近年は指揮者としても活躍していて、
 御自身の曲、
 さらにはクラシック音楽の指揮にも挑んでいて
 考えさせられることは――

   音楽を成立させるには、
   強い意志がなければならない。
   これを作りたい、作らねばならぬという強い思い、
   インテンシティ(意志、決意、専心)が必要だ。

 そうすれば、
 音楽が音楽になる瞬間がやって来る、
 というのです。

「しゅうちゅうゥりょくゥ?」
「ぐるる?」(←訳:やる気?)

 演奏するたびに新しい発見がある、クラシック音楽。

 台湾で『第9』のコンサートをしたときのこと、
 久石さんは体験します。

 《神が降りてきた》

 そんな特別な時間を。

 演奏を始める直前、
 指揮台で瞑目し目を開けたとき、
 そこには特別な時間が流れていて
 僕はただ静かに
 小さく振り出せばよかった――

 読んでいる私たちも鳥肌が立つような、
 祝福と羨望のひととき。

「かんきゃくさんがァ、うらやましィでスゥ!」
「がるるぐるるるっる!」(←訳:その曲聴きたかった!)

 音楽を伝える方法には何があるだろう?

 音楽と聴覚と視覚のバランス、ズレ。

 音楽の始まり、進化、
 譜面の発達、
 商業化された大量生産の音楽の台頭する現代に、
 ひとりの作曲家として
 自分に何ができるのだろう?

 日々の、身近なものごとと寄り添うように、
 しかし真摯に、
 久石さんは問いかけます。

 作品(曲)に完成はあるのか?

「むゥ~んッ、それはァ~…」
「ぐるる!」(←訳:超難問!)
 
 いや、作曲(創作)に終わりはない。
 永遠に完成しないものなのだ――

 そう呟きながら、
 今日も指揮台に向かう久石さん。

 《創るひと》のこころの動き、
 思考と試行の記録は、
 ジブリファンの活字マニアさんに
 久石さんのファンの方々におすすめです。
 ぜひ、一読を~!
 

 
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