テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 道のはてには。 ~

2024-03-22 22:00:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むッ! あのォうたごえェはァ~…!」

「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!ウグイスくんだ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 予想外の寒の戻りに凍える朝、

 ホーホケキョキョ、とウグイスくんの声が聴こえてきました。

 春の使者さんの到来にホッとしながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

    ―― ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅 ――

 

 

 著者はレイチェル・ジョイスさん、

 原著は2012年に、日本語版は2013年8月に発行されました。

 英語原題は『THE UNLIKELY PILGRINAGE OF HAROLD FRY』、

 発表後にブッカー賞候補作となり、

 日本でも2014年の本屋大賞で第2位となった名作が、

 いま、再び脚光を浴びています。

 というのも――

 

「えいがかァ~されちゃッたのでスゥ!」

「ぐるるがるっる!」(←訳:英国で大ヒット!)

 

 本国・英国の興収ランキングで初登場1位!となった長編映画の、

 原作である小説作品は、

 のどか……というか、アンニュイな

 ”なんてことない一日”から始まります。

 

 ハロルド・フライさんは、

 定年退職して6ヶ月の、65歳。

 今朝ものんびり、庭を眺める椅子に座って、

 トーストを手にしていたところへ。

 

 郵便屋さんが。

 

「いまどきィ、ゆうびんッ?」

「がるるぐる!」(←訳:珍しいねえ!)

 

 妻のモーリーンさんが渡してくれた封書に、

 ハロルドさんは首を傾げます。

 消印は、ベリック・アポン・ツイード……

 まるきり心当たりはありません、が。

 

 恐る恐る封筒を開けてみれば、それは、

 昔むかし、ビール工場で一緒に働いていた

 クウィーニ―・ヘネシーさんからの便りでした。

 

 自分が癌を患っていることを知らせる、

 お別れの便り、だったのです。

 

「えェッ?」

「ぐるる~…」(←訳:そんな~…)

 

 ショックを受け、意気消沈しつつも、

 返信を書くハロルドさん。

 

 便箋を封筒に入れ、封をして、

 足取り重く郵便ポストの前まで歩いていって、

 手紙を投函……投函……

 できません。

 

「はろるどォさんッ?」

「がるるるぅっるる?」(←訳:どうしちゃったの?)

 

 もうちょっと歩こう、次のポストまで。

 その次のポスト……郵便局……さらに次のポスト、そのまた次の……

 と、いつしかハロルドさんの歩みは町の外へ。

 

 町の、もっと外へ。

 もっと先へ、もっともっと先へ。

 

 ハロルドさんが住む

 ブリテン島の南端に近い町キングズブリッジから、

 クィーニー・ヘネシーさんがいる

 イングランド北端のベリック・アポン・ツイードへ。

 

「まさかッ?」

「ぐるるるがるる??」(←訳:まさかのまさか??)

 

 スポーツマンでもないハロルドさんが、歩く?

 

 え、ちょっと待って、

 その靴はデッキシューズでしょ?

 スニーカーやウォーキングシューズじゃないでしょ?

 携帯電話は? お財布は? 食事は?

 モーリーンさんに連絡したの?

 ちょっとちょっと、ハロルドさん!

 

「もうゥだめェ~でスよゥ!」

「がるるぐるるるるる!」(←訳:誰にも止められない!)

 

 英国を縦断する、途方もない旅。

 はたして、ハロルドさんは旅を完遂できるのか。

 行ったこともない場所に行き着けるのか――

 

 刊行から12年、

 ハロルドさんの旅の物語は、

 映画に形を変え、

 ここ日本へもやって来ようとしています。

 映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』は

 6月7日公開予定!

 読んでから観る派の方々は、

 ぜひ、公開より前に

 原作小説を手に取ってみてくださいね~♪

 

コメント
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