「こんにちわッ、テディちゃでス!
あれれッ? のびィ~ちゃッたでスよゥ!」
「がるる!ぐるるがる?」(←訳:虎です!珍しいかも?)
こんにちは、ネーさです。
予想よりも気温が上がらず、
サクラの開花予想日は先延ばしに?
残念なような嬉しいような気持ちを抱えつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 七月七日 ――
著者は、ケン・リュウさん、藤井太洋さん他、
2023年6月に発行されました。
英語題名は『Seventh Day of the Seventh Moon』、
10人の作家さんによる短編作品が収録されています。
「でんせつゥ~でスねッ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:昔からの言い伝え!)
10篇の作品の底流となっているのは、
神話や伝説です。
東アジア全域にわたって伝えられているという
七夕の伝説。
中国の春節とも縁深い年獣伝説。
不老不死の薬を探求する徐福伝説。
済州島の巨人伝説。
さまざまな伝説、神話から想を得た10作品の中から、
今回ちょっぴり御紹介したいのは、
ケン・リュウさん作『七月七日』です。
「ひょうしのォいらすともォ~」
「がるぐるがるる!」(←訳:この御話だよね!)
七夕(チーシー)の日。
ユアンさんは、
恋人・ヂィンさんが待つコーヒーショップへ
夜の街路を急ぎます。
天宮の雲を織り上げる名人・織女(ヂイニュー)さんと、
銀河の西岸で牛飼いをしている牛郎(ニューラン)さん。
古くから伝わる天の物語を想い描きながら、
急げ、急げ、1分1秒でも早く、
彼女のもとへ。
こうして逢えるのは、今夜が最後になるでしょう。
だって、明日、彼女は行ってしまう。
遠い国――アメリカへ。
全寮制の学校で学ぶために。
「りゅうがくゥ、でスかァ……」
「ぐるるるがるるる……」(←訳:遠いのはつらいね……)
悲しみと不安を隠せないユアンさんとヂィンさんですが、
ふたりの前に、いえ、上空に、
突如として現れたのは、
カササギ?
「わッ! こッちにィくるゥ~ッ??」
「ぐるがるるる~っ??」(←訳:何が起こるの~っ??)
離ればなれになってゆく恋人たちと、
カササギの群、
そして、夜空。
七夕伝説をベースにした『七月七日』からは、
どこか宮崎駿さんの映像作品にも通じる浮遊感が
ほろほろとこぼれ出るかのようです。
モダンでありながら
古典の風格を備えた表題作品をはじめ、
SF好きな活字マニアさんに激おすすめしたい
快作&力作が揃っていますよ。
本屋さんで、図書館で、ぜひ、探してみてくださいね~♪