テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 夜空の橋 ~

2024-03-19 22:02:50 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あれれッ? のびィ~ちゃッたでスよゥ!」

「がるる!ぐるるがる?」(←訳:虎です!珍しいかも?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 予想よりも気温が上がらず、

 サクラの開花予想日は先延ばしに?

 残念なような嬉しいような気持ちを抱えつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― 七月七日 ――

 

 

 著者は、ケン・リュウさん、藤井太洋さん他、

 2023年6月に発行されました。

 英語題名は『Seventh Day of the Seventh Moon』、

 10人の作家さんによる短編作品が収録されています。

 

「でんせつゥ~でスねッ!」

「ぐるるるがるるる!」(←訳:昔からの言い伝え!)

 

 10篇の作品の底流となっているのは、

 神話や伝説です。

 

 東アジア全域にわたって伝えられているという

 七夕の伝説。

 中国の春節とも縁深い年獣伝説。

 不老不死の薬を探求する徐福伝説。

 済州島の巨人伝説。

 

 さまざまな伝説、神話から想を得た10作品の中から、

 今回ちょっぴり御紹介したいのは、

 ケン・リュウさん作『七月七日』です。

 

「ひょうしのォいらすともォ~」

「がるぐるがるる!」(←訳:この御話だよね!)

 

 七夕(チーシー)の日。

 

 ユアンさんは、

 恋人・ヂィンさんが待つコーヒーショップへ

 夜の街路を急ぎます。

 

 天宮の雲を織り上げる名人・織女(ヂイニュー)さんと、

 銀河の西岸で牛飼いをしている牛郎(ニューラン)さん。

 

 古くから伝わる天の物語を想い描きながら、

 急げ、急げ、1分1秒でも早く、

 彼女のもとへ。

 

 こうして逢えるのは、今夜が最後になるでしょう。

 だって、明日、彼女は行ってしまう。

 遠い国――アメリカへ。

 全寮制の学校で学ぶために。

 

「りゅうがくゥ、でスかァ……」

「ぐるるるがるるる……」(←訳:遠いのはつらいね……)

 

 悲しみと不安を隠せないユアンさんとヂィンさんですが、

 ふたりの前に、いえ、上空に、

 突如として現れたのは、

 

 カササギ?

 

「わッ! こッちにィくるゥ~ッ??」

「ぐるがるるる~っ??」(←訳:何が起こるの~っ??)

 

 離ればなれになってゆく恋人たちと、

 カササギの群、

 そして、夜空。

 

 七夕伝説をベースにした『七月七日』からは、

 どこか宮崎駿さんの映像作品にも通じる浮遊感が

 ほろほろとこぼれ出るかのようです。

 

 モダンでありながら

 古典の風格を備えた表題作品をはじめ、

 SF好きな活字マニアさんに激おすすめしたい

 快作&力作が揃っていますよ。

 本屋さんで、図書館で、ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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