「こんにちわッ、テディちゃでス!
はッぴィ~ひなまつりィ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!桃の花きららん!)
こんにちは、ネーさです。
やわらかな桃花色が目に心地良い春の節句は、
さくら餅などいただきながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪
―― 銀太郎さん お頼み申す 4 ――
著者は東村アキコ(ひがしむら・あきこ)さん、
2024年2月に発行されました。
着物マニアさん&器好きさんのハートをグッとつかんで大人気の、
《銀太郎さん お頼み申す》の最新巻は、
おお、なんという読み応え!
「はくりょくゥ~でしたでス!」
「ぐるがるるるぐるるる……!」(←訳:ブン殴られたみたいだ……!)
岩下さとりさんは、
東京・新宿のカフェでアルバイトをしながら、
キモノの知識や文化を
懸命に学ぶ25歳。
着物、帯、季節や歳時記、詩歌、歴史……
さとりちゃんの身の周りには、
今まで日本の伝統文化に詳しい人がおらず、
また、学校で詳しく学ぶこともありませんでした。
知らなくても、知らないままでも、
別に何の不足も感じず、
ふんわり生きてきたさとりちゃんですが。
「でもォ!」
「がるぐるるる!」(←訳:一変しました!)
さとりちゃんを変えたのは、
或る美しい人との出逢い。
最初は、名前も知りませんでした。
職業も、出身地も、年齢も、何も知らない。
そんなことより大事なのは、
さとりちゃんのこころを占めたのは、
その女性の、着物姿。
あんな風に、私もなれたら。
「あこがれェ、でスねェ~…」
「ぐるるるぅるるる~…」(←訳:見惚れちゃうよね~…)
さとりちゃんの憧れのひと――
銀太郎(ぎんたろう)さん。
この第4巻では、
銀太郎さんの過去が語られています。
陶器の町・唐津へ、
銀太郎さんと一緒に旅するさとりちゃんは、
唐津に住まう人から
”過ぎし日の物語”を聞かされました。
この地の陶芸家さんと、銀太郎さんの、恋。
美しい銀太郎さんと
将来を嘱望される陶芸家さん、
ふたりの未来は晴れ渡っている……はずだったのに?
いま、その人は、
銀太郎さんの恋人は、どこに?
話の断片を繋ぎ合わせて、
さとりちゃんは推測し、”追想”します。
どんな出来事が銀太郎さんを見舞ったのか。
「ことばもォないィでス……」
「がるぐるがっる……」(←訳:泣くしかない……)
ひとの身に起こる悲劇。
悲劇とは、いったい何なのか。
誰かが悪意を抱いていたわけでも、
策意があったわけでもない。
ただ、不運があった。
不運がさらに不運を呼ぶのを、
誰も、どうやっても、止められなかった――
その悲しさ、怖ろしさ。
ネタバレになってしまうので、
これ以上のお喋りは出来ませんが、
コミックマニアさんはもちろん、
マンガ?いや、あまり読まないんだけど?という方々にも
激おすすめしたい名品です。
乙女椿の花に彩られた銀太郎さんの麗姿を目印に、
ぜひ、本屋さんのコミックコーナーで探してみてくださいね~♪