テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 海辺に寄す風 ~

2024-03-03 22:03:33 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はッぴィ~ひなまつりィ!」

「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!桃の花きららん!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 やわらかな桃花色が目に心地良い春の節句は、

 さくら餅などいただきながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 銀太郎さん お頼み申す 4 ――

 

 

 著者は東村アキコ(ひがしむら・あきこ)さん、

 2024年2月に発行されました。

 着物マニアさん&器好きさんのハートをグッとつかんで大人気の、

 《銀太郎さん お頼み申す》の最新巻は、

 おお、なんという読み応え!

 

「はくりょくゥ~でしたでス!」

「ぐるがるるるぐるるる……!」(←訳:ブン殴られたみたいだ……!)

 

 岩下さとりさんは、

 東京・新宿のカフェでアルバイトをしながら、

 キモノの知識や文化を

 懸命に学ぶ25歳。

 

 着物、帯、季節や歳時記、詩歌、歴史……

 さとりちゃんの身の周りには、

 今まで日本の伝統文化に詳しい人がおらず、

 また、学校で詳しく学ぶこともありませんでした。

 

 知らなくても、知らないままでも、

 別に何の不足も感じず、

 ふんわり生きてきたさとりちゃんですが。

 

「でもォ!」

「がるぐるるる!」(←訳:一変しました!)

 

 さとりちゃんを変えたのは、

 或る美しい人との出逢い。

 

 最初は、名前も知りませんでした。

 職業も、出身地も、年齢も、何も知らない。

 そんなことより大事なのは、

 さとりちゃんのこころを占めたのは、

 その女性の、着物姿。

 

 あんな風に、私もなれたら。

 

「あこがれェ、でスねェ~…」

「ぐるるるぅるるる~…」(←訳:見惚れちゃうよね~…)

 

 さとりちゃんの憧れのひと――

 銀太郎(ぎんたろう)さん。

 

 この第4巻では、

 銀太郎さんの過去が語られています。

 

 陶器の町・唐津へ、

 銀太郎さんと一緒に旅するさとりちゃんは、

 唐津に住まう人から

 ”過ぎし日の物語”を聞かされました。

 

 この地の陶芸家さんと、銀太郎さんの、恋。

 

 美しい銀太郎さんと

 将来を嘱望される陶芸家さん、

 ふたりの未来は晴れ渡っている……はずだったのに?

 いま、その人は、

 銀太郎さんの恋人は、どこに?

 

 話の断片を繋ぎ合わせて、

 さとりちゃんは推測し、”追想”します。

 

 どんな出来事が銀太郎さんを見舞ったのか。

 

「ことばもォないィでス……」

「がるぐるがっる……」(←訳:泣くしかない……)

 

 ひとの身に起こる悲劇。

 

 悲劇とは、いったい何なのか。

 誰かが悪意を抱いていたわけでも、

 策意があったわけでもない。

 ただ、不運があった。

 不運がさらに不運を呼ぶのを、

 誰も、どうやっても、止められなかった――

 その悲しさ、怖ろしさ。

 

 ネタバレになってしまうので、

 これ以上のお喋りは出来ませんが、

 コミックマニアさんはもちろん、

 マンガ?いや、あまり読まないんだけど?という方々にも

 激おすすめしたい名品です。

 乙女椿の花に彩られた銀太郎さんの麗姿を目印に、

 ぜひ、本屋さんのコミックコーナーで探してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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