「こんにちわッ、テディちゃでス!
うるとらまんッ、とうじょうゥでスゥ~!」
「がるる!ぐるるがるぐる!」(←訳:虎です!地上波放送だよ!)
こんにちは、ネーさです。
6月19日深夜1:54から『ウルトラマン』第1話&第30話が
NHK総合にて放送決定!
これは絶対に見たいわ!と録画の予約し終えたら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♪
―― 森と木と建築の日本史 ――
著者は海野聡(うんの・さとし)さん、
2022年4月に発行されました。
前回記事で御紹介しました
小林朋道さん著『動物行動学者、モモンガに怒られる』は
野生動物たちとの共存を探るノンフィクションでしたが、
こちらは日本建築史における
“樹木との共存“
に目を向ける歴史ノンフィクション作品、と言えましょうか。
「もくぞうゥ~ぶんかッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:それが日本!)
西洋は石の文化で、
東洋は木の文化――
いや、実際はそんなに単純ではない、と
著者・海野さんは『序章』で指摘します。
洋の東西を問わず、
人類は森林のめぐみを享受してきた。
木を用いながらも
石造のように見える、
そんな建築が欧州には点在している。
「いしにィみえてもォ~…?」
「がるぐっるる!」(←訳:木を使ってる!)
つまり、西洋でも東洋でも、
建築資材として木材は重用されてきた、んですね。
石に比べて軽いし、
丈夫だし、
加工しやすくて、いろいろ使い勝手はいいし、と。
ただ、この”木材“ってものは……
使うと、なくなっちゃう。
「それはァ、とうぜんッなのでスよゥ!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:万国共通の真理!)
どれほど豊かで大きな森であろうと、
バリバリ切り倒して
ガンガン使ってしまえば、
尽きてしまう。
日本では、既に中世以前の時点で、
森林資源枯渇の危機が露呈したことを、
分かりやすい例を挙げて、
海野さんは解説してゆきます。
その例とは――
東大寺の再建。
「うむむゥ! だいじけんッでしたでス!」
「がるるぐる!」(←訳:南都の火事!)
治承四年(1180年)、
平重衡による南都焼き討ちによって、
東大寺や興福寺では伽藍の大部分が焼失しました。
この、“東大寺大仏殿の再建“は、
数々の物語(小説)・映画・ドラマ他にも描かれていて、
当時の一大事件として知られていますが、
再建の過程で
或る問題が発生しています。
材木が、ない。
柱材や棟木、
大仏殿の再建に必要な巨材が、ない。
「さがしてもォ、ないィ?」
「ぐるるる!」(←訳:大騒ぎに!)
かつては在った巨木が、
容易に見つけられた巨大なヒノキの樹木が、
もう森に無い。
理由は言う迄もなく、乱開発してしまったから。
そこで、建材の主流をヒノキだけでなく、
アスナロ、マキなどヒノキ系の木材、
ブナ、マツも加えるなど種類を増やし、
クス、センダイ、スギ、サクラも
建材に利用してゆくようになるものの――
「ひつようゥなのはァ~」
「がるるぐる?」(←訳:根本的解決?)
木材資源を、
消費から、保全と管理へ、
利用抑制と植林へ。
植林や休山といった方法を組み合わせての
積極的な保全が芽生えたのは、
実に、18世紀以降のことになりました。
「ふゥ! ようやくゥ!」
「ぐっるがる!」(←訳:やっとだね!)
森と木と、
日本の建築の、長い長~い歴史。
これからの展望。
地味に見えても重要な、
歴史好きな活字マニアさんに
激おすすめの一冊です。
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪