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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

はたして、何処へ…?

2019-01-21 22:17:52 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでッス!
 かんちゅうゥおみまいィ、もうしィあげまスゥ!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!大寒だもんね!)

 こんにちは、ネーさです。
 暦の上では“一年でいちばん寒~い”ことになっている寒中……
 今日もネーさ家のオリーブ油はガッチリ固形化しました。
 春はいつ来るのかなぁ~とカレンダーを眺めながらの
 本日の読書タイムは、こちらの新書を、どうぞ~♪

  


 
         ―― 消えたフェルメール ――



 著者は朽木ゆり子(くちき・ゆりこ)さん、2018年10月に発行されました。
 ええ~? またフェルメールさん関連の御本なの~?
 と食傷気味の方々もおられましょうが、
 この御本は、
 フェルメールさんの作品を分析・解説するアート評論ではなく、
 敢えていうなら……

 サスペンスフルなノンフィクション!

「さッ、さすぺんすゥ??」
「ぐるがるっ?」(←訳:実録犯罪っ?)

 『消えたフェルメール』なる題名を目にした時点で、
 アートマニアさんは、もしや、と思ったことでしょう。

 1990年3月。
 米国ボストンのガードナー美術館が強盗の被害に遭いました。

 展示室から強奪されたのは、
 美術館の創設者である
 イザベラ・スチュワート・ガードナーさんが収集した
 貴重な美術品十数点。

 フェルメールさんの『合奏』、
 レンブラントさんの『ガラリヤの海の嵐』『黒装束の婦人と紳士』、
 マネさんの『トルトニ亭にて』、
 エドガー・ドガさんの素描6点などでした。
 
 このニュースは瞬く間に世界中で報じられ、
 美術ファン諸氏を震撼させましたが、
 未だに解決していません。

「まだァ、ゆくえェしれずゥ~…!」
「がるる~!」(←訳:返して~!)

 美術品の盗難なんて珍しくもないさ――
 と、シニカルな見方をする向きもありましょう、
 しかし。

 フェルメールさんの作品が盗まれるのは、
 これが初、ではないのです。

 1971年、ベルギーで『恋文』が。
 1974年、ロンドンで『ギターを弾く女』が。
 同じく1974年、アイルランドのダブリン郊外で
 『手紙を書く女と召使い』が、盗まれたのでした。

「でもォでもッ!」
「ぐっるるるる!」(←訳:戻ってきたよ!)

 そう、理由や過程は複雑であれ、
 結果としては、作品は戻ってきました。
 盗難時の衝撃で破損した箇所があり、
 修復しなくちゃならなくてたいへんだったけど、
 とにもかくにも、
 戻ってきました。

 なのに、
 なぜ戻ってこないんでしょう、『合奏』は?

 売り捌くのが難しいから?
 犯人たちが仲間割れしたから?
 それとも……?

「なななッ、なんだかァ~…」
「がるぐっるるる~…!」(←訳:怖くなってきた~…!)

 著者・朽木さんは、御本の終章で
 背筋が寒くなるような或る“推測”を提示します。

 実は、『合奏』に関するFBIの捜査は
 私たちが想像する以上に進んでいた?
 犯人は……?

「えええッ?!?」
「ぐるるぅ??」(←訳:嘘でしょ??)

 ネタばれ回避のため、
 これ以上は書きません。
 驚くべき“推測”の詳細は、
 どうか、皆さま御自身で読破を!

 なお、東京・上野で開催中の『フェルメール展』は2月3日まで。

 その後、2月16日~5月12日の間は
 大阪へと巡回します
 (東京展とは展示内容が異なります。
  大阪展のみ『恋文』が公開されるそうです!)。

 さらに、10月16日からは
 NYのメトロポリタン美術館にて
 フェルメールさんの作品を含むオランダの絵画展が
 予定されています。

 いつか美術館で『合奏』と対面できる日を待ちながら、
 朽木さんの力作を、
 ぜひ、一読してみてくださいね。