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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

イノチの色。

2017-10-26 22:13:50 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうはァ、きれいなァゆうやけェ~だッたでのスゥ!」
「がるる!ぐるっるがるる!」(←訳:虎です!晴天っていいね!)

 こんにちは、ネーさです。
 薄紫の夕空に浮かぶほんわり細いお月さまを仰いだ今日は、
 読書タイムもパステルカラー……じゃなくて!
 ショッキングピンク!
 ウルトラマリン!
 レモンイエロー!
 と原色尽くしの図鑑を御紹介いたしましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



        ―― 世界の原色の鳥図鑑 ――



 監修は川上和人(かわかみ・かずと)さん、
 解説は柴田佳秀(しばた・よしひで)さん、2017年9月に発行されました。

 縦27㎝×横22㎝、厚みもどっしり3㎝!
 大判サイズのこの御本には
 有り得ないような色調の鳥さんたち
 約220種のお写真がドーンと!

「こッ、これェ、ほんものォでスかァ??」
「ぐるがぅるるるる?」(←訳:加工じゃないんだ?)

 私ネーさも、ええ、そう思っちゃっいました。
 表紙の赤い鳥くんは
 ベニフウキンチョウ――
 主にブラジルの森や草地、農地、住宅地などに住む、
 全長18㎝ほどの小鳥くんなのですが、
 ……鮮烈すぎる赤い色は、本物!

 加工でも何でもなく、ホントに赤い!んですって。

 あ、ちなみにメスのベニフウキンチョウは
 茶色で地味、なのだそうです。

「うむむゥ、そこらへんはァ~」
「がるるる……」(←訳:リアルだ……)

 赤がいれば、ピンクもいる。
 ピンクがいれば、ブルーも、
 それにイエローの鳥たちもいる。

 この御本では、鳥たちを生息地ではなく、
 大きく四つの《色》に分けて紹介しています。

 分布地域の点からは、やはり
 温帯よりも熱帯に棲息する鳥ちゃんが多いかしらね。
 
「たしかにィ、にほんッではァ~」
「ぐるるがるぐるるがる!」(←訳:派手な鳥は少数派です!)

 少数派ということに関しては、
 ブルーよりもイエローよりも、
 ピンクの鳥たちがレア度で目立ちまくってます。

 セグロサンショクビタキ……お人形みたいだわ!
 ヒマラヤに住むマミジロマシコ……漫画『ワンピース』に出てきそう!
 アンデスフラミンゴの群れ……もう殆どCG?

「いッたいィ、なにをォどうしたらァ?」
「がるるぐるがるる~?」(←訳:こんな色になるの~?)

 なぜ、この鳥たちはこんな色をしているんでしょう?

 野生の世界で、
 このように派手ハデな色に生まれつくことは
 マイナスなのではないか?

 すぐ捕食者に見つけられて、食べられちゃうのでは?

 その疑問に答えてくれるのは、
 御本巻末に収録されている
 川上和人さんの
 『秒速30万キロのラブレター』と
 『黒の魅惑と、黒の魔力』。

 今年の読書界を席巻する川上さんの著書
 『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』
 を彷彿させる楽しい語り口で、
 鳥たちの痛切なる想いというか悲願というか、
 “派手であること”の存在理由を
 解き明かしてくださいます。

「ふむむゥ! こういうゥりゆうゥがァ~」
「ぐるるる!!」(←訳:あるんだ!!)

 楽しく面白いだけではなく、
 鳥たちの《生命》を思い遣る
 言の葉の美しさ。
 
 川上さんの文章を読み、
 そしてまた巻頭から鳥たちの写真を見直してゆけば、
 そこからまた、
 新たな《生命》の羽根がはばたいてゆく――

「どんなァいろでもォ~」
「がるるぐるる!」(←訳:みんな可愛い!)

 動物写真好きな御方に、
 川上さんのファンの方々にもおすすめの一冊です。
 本屋さんで、図書館で、
 皆さま、ぜひ♪