「こんにちわッ、テディちゃでス!
ちいさなァももちゃんッ!」
「がるる!ぐるるぅるるるー!」(←訳:虎です!モモちゃんとプー!)
こんにちは、もしも黒猫を飼うことになったら
名前は絶対プーだ!と決意を新たにしたネーさです。
松谷みよ子さんの功績を偲びつつ、
本日の読書タイムもまた“偲ぶ”気配が濃いこちらの御本を、
さあ、どうぞ~!

―― 十二の肖像画による十二の物語 (新装版)――
著者は辻邦夫(つじ・くにお)さん、単行本は1981年に刊行されましたが、
2015年2月に画像の新装版は復刊発行されました。
『背教者ユリアヌス』『西行花伝』他で知られる
辻邦夫さん(1925~1999)は、
美術に造詣深い作家さんであったことでも知られています。
この御本も、美術と切っても切り離せない構成になっていますよ。
「これはァ、しょうぞうがァ、でスねッ!」
「ぐっるるがるる!」(←訳:けっこう有名な!)
御本の表紙にもなっている
ポライウォーロさん画『婦人の肖像』、
ジョヴァンニ・ベルリーニさん画『レオナルド・ロレダーノの肖像』、
レンブラントさん画『黄金の兜の男』、
レオナルド・ダ・ヴィンチさん画『美しきフェロニエール』……
って、こう並べると、
アート好きな御方は、ニヤリ♪とされるかもしれませんね。
どこか、クセのある――
「こせいてきィなァ!」
「がるるる!」(←訳:顔ばかり!)
一癖も二癖もありそうな顔が描かれた12の肖像画から、
著者・辻さんが想を得たのは、
やはり、奇妙にねじれた、
寓話のような12の短編小説。
夭折の天才ジョルジョーネさんが遺した『老婆の肖像』。
彼女はどんな思いを抱え、
こちらを見据えているのか?
肖像画の巨匠・ティツィアーノさんの『自画像』。
ヴェネツィアの老画家のアトリエへ、
或る日、ひとりの男がやって来て言うには……?
「ううッ、ぞくぞくゥするでスゥ!」
「ぐぅっるがるる?」(←訳:ちょっと怖いぞ?)
活字マニアの私たちにとって
他人事ではいられないのは、
ホルバインさん画『エラスムスの肖像』の物語でしょうか。
本に目がないエラスムス先生、
古書籍の行商人から
大型の写本を買い取ります。
古代東方の修道院で作られたというその本は、
先生の書斎へ運び込まれましたが、
重い!
……いや、日に日に重くなる?
書棚を壊し、
棚から落下しては床板を破り、
ついには地下室の床石も
本の重さに耐えかねて沈下し始めた?!?
「ひいィ! おうちがァ、こわれるゥ!」
「がるぐるるる!」(←訳:柱が傾くよう!)
たった一冊の本のために、
頑丈な建物が倒壊する?
本好きには耳が痛くなっちゃうような、
物語の結末は……。
「うむむむむゥ~…!」
「ぐるがるる!」(←訳:そう来たか!)
12の物語にはそれぞれ、
非常に暗示的かつ寓意的な題名が付されています。
『鬱ぎ(ふさぎ)』、『妬み(ねたみ)』、
『傲り(おごり)』、『謀み(たくらみ)』、
『吝い(しわい)』……
どの画にどの題名が宛てられているのか、
ここで明かしませんので、
アート好きな活字マニアさんは
どうぞ御自身で確かめてみてくださいね。
画を観ながら、物語を読んで、
そして読み終えてのち、題名を見返したら――
なるほど!
「むゥ! これはァ~…」
「がるぐるぅ!」(←訳:機智だねぇ!)
時を超えた、
画家さんと作家さんの見事なコラボ本、
おすすめです!
ちいさなァももちゃんッ!」
「がるる!ぐるるぅるるるー!」(←訳:虎です!モモちゃんとプー!)
こんにちは、もしも黒猫を飼うことになったら
名前は絶対プーだ!と決意を新たにしたネーさです。
松谷みよ子さんの功績を偲びつつ、
本日の読書タイムもまた“偲ぶ”気配が濃いこちらの御本を、
さあ、どうぞ~!

―― 十二の肖像画による十二の物語 (新装版)――
著者は辻邦夫(つじ・くにお)さん、単行本は1981年に刊行されましたが、
2015年2月に画像の新装版は復刊発行されました。
『背教者ユリアヌス』『西行花伝』他で知られる
辻邦夫さん(1925~1999)は、
美術に造詣深い作家さんであったことでも知られています。
この御本も、美術と切っても切り離せない構成になっていますよ。
「これはァ、しょうぞうがァ、でスねッ!」
「ぐっるるがるる!」(←訳:けっこう有名な!)
御本の表紙にもなっている
ポライウォーロさん画『婦人の肖像』、
ジョヴァンニ・ベルリーニさん画『レオナルド・ロレダーノの肖像』、
レンブラントさん画『黄金の兜の男』、
レオナルド・ダ・ヴィンチさん画『美しきフェロニエール』……
って、こう並べると、
アート好きな御方は、ニヤリ♪とされるかもしれませんね。
どこか、クセのある――
「こせいてきィなァ!」
「がるるる!」(←訳:顔ばかり!)
一癖も二癖もありそうな顔が描かれた12の肖像画から、
著者・辻さんが想を得たのは、
やはり、奇妙にねじれた、
寓話のような12の短編小説。
夭折の天才ジョルジョーネさんが遺した『老婆の肖像』。
彼女はどんな思いを抱え、
こちらを見据えているのか?
肖像画の巨匠・ティツィアーノさんの『自画像』。
ヴェネツィアの老画家のアトリエへ、
或る日、ひとりの男がやって来て言うには……?
「ううッ、ぞくぞくゥするでスゥ!」
「ぐぅっるがるる?」(←訳:ちょっと怖いぞ?)
活字マニアの私たちにとって
他人事ではいられないのは、
ホルバインさん画『エラスムスの肖像』の物語でしょうか。
本に目がないエラスムス先生、
古書籍の行商人から
大型の写本を買い取ります。
古代東方の修道院で作られたというその本は、
先生の書斎へ運び込まれましたが、
重い!
……いや、日に日に重くなる?
書棚を壊し、
棚から落下しては床板を破り、
ついには地下室の床石も
本の重さに耐えかねて沈下し始めた?!?
「ひいィ! おうちがァ、こわれるゥ!」
「がるぐるるる!」(←訳:柱が傾くよう!)
たった一冊の本のために、
頑丈な建物が倒壊する?
本好きには耳が痛くなっちゃうような、
物語の結末は……。
「うむむむむゥ~…!」
「ぐるがるる!」(←訳:そう来たか!)
12の物語にはそれぞれ、
非常に暗示的かつ寓意的な題名が付されています。
『鬱ぎ(ふさぎ)』、『妬み(ねたみ)』、
『傲り(おごり)』、『謀み(たくらみ)』、
『吝い(しわい)』……
どの画にどの題名が宛てられているのか、
ここで明かしませんので、
アート好きな活字マニアさんは
どうぞ御自身で確かめてみてくださいね。
画を観ながら、物語を読んで、
そして読み終えてのち、題名を見返したら――
なるほど!
「むゥ! これはァ~…」
「がるぐるぅ!」(←訳:機智だねぇ!)
時を超えた、
画家さんと作家さんの見事なコラボ本、
おすすめです!