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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

今日から一躍♪

2015-03-08 21:44:12 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あめのォしゅうまつゥ、でしたでスゥ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!寒さと湿気!)
「じめじめッ!」

 こんにちは、ネーさです。
 ふっふっふっ、本日の読書タイムでは、
 寒さはともかくも、
 じめじめオッケー!
 湿気って悪くないなぁ~と認識を改めさせられる一冊を御紹介いたしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



            ―― カタツムリが食べる音 ――



 著者はエリザベス・トーヴァ・ベイリーさん、原著は2010年に、
 日本語版は2014年2月に発行されました。
 英語原題は『The SOUND of a WILD SNAIL EATING』、
 そう、耳を澄ませば、
 シャリシャリ、シャリシャリ……

「むゥ? そらみみィ、かなッ?」
「ぐるるる?」(←訳:気のせい?)

 いいえ、気のせいではありません。
 カタツムリがしおれた花の花弁をかじっている音を、
 著者・ベイリーさんは

   《何かとても小さな生き物が、せっせとセロリを食べているような音》

 であったと述べています。

 
「わほゥ! ほんとにィ?」
「がるぐるるるー!」(←訳:音がするんだー!)

 シャリシャリとセロリを齧るような音。
 
 けれど、このかすかな音は
 万人に聞こえる、というものではなさそうです。
 著者・ベイリーさんがこの音に気付いたのも
 特殊な環境下にいたため、でした。

 医師も病因を容易に特定できない難病に
 ベイリーさんは罹ってしまったのです。

 ベッドから動けない。
 数分以上、身体を起こしていられない。
 病気になる前は、
 愛犬と散歩をして、
 海外旅行もして、
 庭の菜園を手入れして……
 そんな生活は、いまから思えば夢のよう。

「うわァ~んッ、そんなァ!」
「ぐるるるる!」(←訳:苦しすぎる!)

 動けない彼女のもとへ、
 友人が或るお見舞いの品を持ってきてくれました。

 森で見つけた、
 野生のスミレの花の鉢。
 そして、その湿った葉の下には、
 小さなカタツムリ。

「おおッ、ちッちゃいィ~!」
「がるる!」(←訳:茶色だ!)

 スミレの鉢に住みついた
 ドングリくらいの大きさの野生のカタツムリは、
 ベイリーさんに安らぎと平穏をもたらします。

 病気のせいで、人と会ったり話したりすることは
 体力的にとてもつらい……
 けれど、じっとカタツムリを観察することで、
 こころが落ち着いてゆく。

「けんきゅうゥ、かいしィでス!」
「ぐるるるるるがる!」(←訳:カタツムリ学入門!)

 調べてゆけば、
 カタツムリの生態は《!!!》だらけ。
 ベイリーさんも私たち読み手も
 驚きの連続です。
 カタツムリって、こういう生きものなんだー!

「ぎょうてんッ、でスよゥ!」
「がるるるぐるるがる!」(←訳:クマムシ以上の驚異!)

 種としては異質すぎる、
 しかし幸福な、
 人間のベイリーさんとカタツムリくんとの、
 世にも稀な出会い。

 そんな出会いから生まれたこの作品は
 2012年のウィリアム・サローイン賞他、
 数々のノンフィクション賞を受賞しました。

「かたつむりィがァ、いちやくゥ!」
「ぐるぅーるがるる?」(←訳:メジャーな存在に?)

 生物観察記であり、闘病記。

 ワンコ&ニャンコ本好きな方々、
 明日からはカタツムリに注目です♪