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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

しあわせの音色とは。

2014-10-26 21:39:29 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 へェ~んしィんッ! とォうゥッ!」(←ライダーの変身ポーズ中)
「がるる!ぐるるがる~っ!」(←訳:虎です!ボクも変身~っ!)

 こんにちは、ネーさです。
 あのね、だからね、変身や変装じゃなくて仮装でしょ。
 今日26日は仮装したお子ちゃまたちをあちこちで見かけましたが、
 皆さまも仮装&パーティを楽しみましたか?
 お家に帰ってきたら、
 さあ、秋の夜長の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



              ―― おわらない音楽 ――



 著者は小澤征爾(おざわ・せいじ)さん、2014年7月に発行されました。
 『私の履歴書』と副題が付されています。

「まえすとろォ、とうじょうゥ~!」
「ぐるぐるぐる~!」(←訳:パチパチパチ~!)

 いまや知らぬ者とてない、偉大なるマエストロ・小澤征爾さん。
 この御本は、小澤さんが1935年(昭和十年)満州(現・中国瀋陽市)に生まれ、
 2014年現在に到るまでの半生記であり、《履歴書》です――

 って言いたいんですけど、
 《履歴書》?
 映画の脚本、の間違いじゃありませんこと?

「もんのッすッごォ~いッ!」
「がるがるるる!」(←訳:波乱万丈の嵐!)

 少年時代、青年時代、留学を経て、
 いよいよ指揮者としての本道へ。

 そのすべてが、平坦な道ではありません。
 
 満州での生活と、
 そこから東京・立川へのお引っ越し。

「たちかわァ?」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:八王子のお隣りだ!)

 ええ、多摩っ子だったんですね、小澤さん。
 音楽に目覚めた征爾少年はピアニストを夢見て、
 日夜厳しい練習……に加え、
 ラグビーにまで夢中になっちゃったのですから、堪りません。
 他校との試合で両手の人さし指を骨折、
 顔にも怪我を負って、
 救急搬送される羽目に……。

「おおけがッ??」
「がるるるる!」(←訳:どうしよう!)

 しかし、ピアニスト生命を危うくしたその怪我が、
 異なる形の音楽家――指揮者への道を拓くきっかけとなります。

 音楽の勉強を続け、
 友人さん知人さんに応援されて欧州遊学。
 正式な留学のアテはないけど、
 旅費格安?の貨物船に乗せてもらって、
 マルセイユからはスクーターにまたがり、
 一路、パリへ――

「ゆめのォ、みやこッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:音楽の本場!)

 以降の小澤さんの活躍は、
 活字マニアの皆さまも御存知、でしょうか。

 いつも順風満帆、とは行かなくても、
 多くの、当代一流の巨匠さん才人さんたちが
 小澤さんに手を差し伸べました。

 “先生”ことヘルベルト・フォン・カラヤンさん、
 レナード・バーンスタインさん、
 イサム・ノグチさん、
 井上靖さん、大江健三郎さん、
 武満徹さん、團伊玖磨さん、黛敏郎さん、
 三島由紀夫さん……
 そして、お父上、お母上、兄弟さんたち。

 顔ぶれのあまりの凄さに、
 本文のページをめくる手が震えるほどです。

「ちょうゥ~いちりゅうゥ!」
「がるぐるぅ!」(←訳:贅沢だねぇ!)

 山あり、谷あり、ドン底あり、
 そのはてに、光あり。

 御本の冒頭で小澤さんは記しています。

    ――音楽家になってよかった――

 そう、この御本を、つまりは小澤さんの《履歴書》を貫いているのは、
 音楽家として生きることの幸福です。
 形には出来ないけれど、
 四囲を光で満たす、音の幸福。

「ぼらぼォ!」
「ぐるがーる!」(←訳:アンコール!)

 小澤さんが奏でる音楽の幸せを、
 活字マニアさんも、ぜひ、この御本から聴き取ってくださいね。
 もちろん、音楽好きさんは必読ですよ♪
 ぜひ!