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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

黄金色のモフモフと。

2014-10-16 21:42:46 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 かぜにィ、ちゅうゥ~いィッ!」
「がるる!ぐるるぅ!」(←訳:虎です!冷えるぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 富士山も冠雪しちゃう寒気ですね。
 行楽シーズンなのにカゼ引いちゃなんねぇ!と用心しつつ、
 さぁてと、本日の読書タイムは
 お偉い方々が主役を張るこちらの御本をば、どうぞ~♪

  



               ―― 神様の御用人 ――



 著者は浅葉なつ さん、2013年12月に発行されました。
 いまは10月、10月といえば旧暦では神無月ですが……

「かみさまはァ、どこにィ?」
「ぐるぐるるがる!」(←訳:この御本の中だ!)

 ええ、お社を留守にしちゃって、
 神さまがたが向かわれたた先は、きっとこの物語の中!
 と言いたくなるくらい、たくさんの神さまが登場なさいます。

 おっとと、先ずは、
 “神様”ではなく、
 御本の題名の“御用人”さんから説明いたしましょうか。

「う~んッ? これはァ、にんげんッ?」
「がるぐるるがる!」(←訳:どう見ても人間!)

 二十代半ばの青年・良彦(よしひこ)くん。

 特別な能力、秀でた容貌、優れた頭脳、
 どれも良彦くんは持っていません。
 ……いえ、ほんの数ヶ月前までは、
 彼にもちょっとした取柄というか、
 自慢できなくもないものがあった、のですが。

 あえなく、失ってしまいました。

「なくしちゃッたのォ?」
「ぐっるるがる?」(←訳:いったい何を?)

 小さな頃から、野球好き。
 甲子園に出たことだってあるし、
 社会人野球チームを持つ企業に就職も出来ました。
 ……ケガさえしなければ、
 そこで上手くやっていけるはず、だったんですけれどね。

「けがァ、でスかァ~…」
「がるるるぅ~…」(←訳:つらいなぁ~…)

 つらくて悲しくて、引きこもっていた日々から
 ようやく日常生活に戻ってきつつあった良彦くん、
 或る日、見知らぬ人から冊子を手渡されます。

 和紙を綴り合わせた、ほぼ文庫本サイズのその冊子、
 実は――

 神様の御用帳。
 
 正式には、『宣之言書(のりとごとしょ)』といいまして、
 この御用帳を持つ者は、
 神様の御用を務めねばなりません。

 神様の要望をお聴きして、それを成就すべく
 東奔西走、ガンバって踏ん張って、
 とことん奮闘しなきゃならない、のでございます。

「よッ! ごようききィ~♪」
「ぐるるるがる!」(←訳:ご苦労様です!)

   いや、御用聞きとかいわれても。
   おれフツーの人間だし。
   何をどうすりゃいいのかサッパリわかんないっての。

 良彦くんの泣き言を
 聞く耳もたぬのは
 京にその神ありと知られる《方位神》の黄金(こがね)さま。

 ルックスはモフモフのキツネそのものの黄金さまに操られ、
 もとい尻をつつかれ、
 いえ、上方風漫才?を繰り広げながら、
 良彦くん、しかたなく御用人役に就くことに。

「だいじょゥぶゥ、かなァ?」
「がるるぐるるる!」(←訳:神様は難物だよ!)

 八百万の神様がおわす、ここ日本。
 良彦くんの御用を命じる神様がたが、また……
 ふっふっふ、一筋縄じゃいかない、ってところで♪

「あァ~、やぱりィ?」
「ぐるるるるがる!」(←訳:難物による難題!)

 日本人じゃなきゃこの機微は分からない、
 オリジナリティもユーモアもたっぷり、
 さらには清々しさをも併せ持つ
 4編から成る連作ファンタジーは
 秋の読書に激おすすめの作品です♪

「かみさまがたがァ~いいィあじィ~♪」
「がるるるる!」(←訳:出してます!)

 なお、好評を得たこの御本、
 既に続巻も刊行されているそうですので、
 いっそ、シリーズ一気読み!もいいかもしれませんね。
 書店さんでお探しくださいな♪