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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《美》と《知》の秀麗コラボ♪

2010-11-29 23:32:26 | ブックス


「♪じんじんじんぐるべるッ♪じんじんじんぐるべるッ♪めェーりィー♪」

 ちょっと待ったぁ!
 そのお歌は12月まで我慢しなさいテディちゃ!
 ……えへん、失礼しました、
 12月へのツナギ的存在のようでどことなーく影が薄い11月に同情しちゃうネーさです。
 こんにちは~♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるるっ♪」(←訳:虎ですっ♪)

 さあ、本日は、刊行されたばかりの重厚なミステリを御紹介いたしますよ!
 11月に敬意をこめて、こちらを、どうぞ~!

 

                   ―― システィーナ・スカル ――



 著者は柄刀一さん、’10年11月に発行されました。
 副題に『絵画修復士 御倉瞬介の推理』とありますように、
 柄刀さん著の人気シリーズ『絵画修復士 御倉瞬介』の3作品目となるのが、
 この御本です。

 第一作『時を巡る肖像』、
 第二作『黄昏たゆたい美術館』に続くこの作品では、
 イタリアを舞台にした
 御倉瞬介(みくら・しゅんすけ)さんの名推理が披露されるんですよ♪

「いたァ~りあッ♪」
「ぐるる~がるる~♪」(←訳:オペラの~国ぃ~♪)

 音楽、特に声楽を学ぶ方々にとっては、
 イタリア語はとりわけ重要な言語ですね。
 同じく、絵画や彫刻の修復作業を修めたい方々にとって、
 イタリアは特別な上にも特別な国です。
 ルネッサンス!
 バロック!
 古典期から近代・現代まで、
 長靴の形をしたあのお国には《美》がいーっぱい!

 駆け出しの若き修復士・御倉さんも、
 時々、本場の《美》の素晴らしさ、凄さに、
 くらくらっ、となったりいたします。

 いま、目の前にあるのは、
 自分の、この手が、この腕が、
 一心に洗浄の作業をしているこれは、
 ローマのバチカン、
 システィーナ礼拝堂の天井画……!

 かの巨匠、ミケランジェロが描いた天井画なのだと思えば、なおさら……!

「わおッ♪ あんびりばぶるゥ~♪」
「ぐるがるぐるるるー!」(←訳:夢みたいだよー!)

 幸運にも、日本のTV局から御話をいただいて、
 御倉さん、システィーナ礼拝堂修復プロジェクトのスタッフに
 加わることが出来たのでした。
 巨匠の大作が発する熱気にアテられながら、
 日々の地道な、しかし何物にも替えがたい経験、発見は、
 まるで夢のよう……。

 けれど、そこに事件が起こります。

 ひとりの来訪者さんが、
 天井画を見上げ、
 そして昏倒しました……

 なぜ?

 何が、来訪者さんに衝撃を与えたのでしょう?
 御倉さんの推理が向かうのは――

「うむゥ! いんてりじぇんスゥ!」
「がるがるる!」(←訳:知的だね!)

 表題作品『システィーナ・スカル』、
 『ボッティチェリの裏窓』、
 『時の運送屋(カミオン)』、
 『闇の揺りかご』と
 4編のミステリが収録されています。
 秀麗な、どこか雅やかで品格ただよう御倉さんの洞察力、
 ミステリ好きさんは、んもー絶対!読み逃してはいけません!

 この御本では、ミケランジェロさんがクローズアップされていますが、
 修復士・御倉さんには、いずれ、レオナルドにも挑戦していただきたいわ!
 次作品が楽しみです~♪♪

「あーとまにあさんにィ、おすすめッ!」
「ぐるるるがるがるる~る!」(←訳:西欧美術史好きさんにもすすめちゃおう!)

 皆さま、今週も豊かな読書タイムを!