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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

科学する画筆!

2010-11-16 23:22:11 | ブックス


 寒ぅ~い!ああ夏が早くも懐かしい……
 こんにちは、ネーさです。
 今日はとうとうダウンジャケットを着てみましたよ~。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるる!」(←訳:虎です!)

 空気が冬に一転した本日は、
 前回記事の柔らかくて美味しいおだんごから、堅~いテーマの御本に一転です。
 硬派さんも軟派さんも、こちらを、どうぞ~!



                   ―― フェルメールのカメラ ――



 著者はフィリップ・ステッドマンさん、原著の英語版は2001年に、
 画像の日本語版単行本は’10年9月に発行されました。
 副題に『光と空間の謎を解く』とあります。

  ヨハネス・フェルメールさん(1632~1675)――

 アート好きさん、
 それに美術書好きの活字マニアさんにも、
 もはや説明の必要がない画家さんですわよね。
 テディちゃ、虎くんも知ってるでしょ?

「ふァいッ!
 きょしょうさんでスゥ!」
「がるるるーる!」(←訳:有名画家さんだよ!)

 世界的に高く評価される、
 フランドル(現在のオランダ)の巨匠画家・フェルメールさん。
 近年、高まる一方の人気に煽られてか、
 フェルメールさんに関する研究が盛んに行われています。

 この御本は、その研究の一つの成果を詳しく報告した
 いわば、レポート的な内容のものなのですが、
 熱心なフェルメールファンさんにとっては
 衝撃……いえ、大々ショックな分析結果が著されており、
 美術界では話題となっておりますね。

「しょッくゥ??」
「ぐるるがるぐるがるー?」(←訳:どんな衝撃なのー?)

 フェルメールさんは、
 カメラを使って絵を描いていた――

 一見、古典的な、欠点のない完璧な構図を支えていたのは
 カメラという、
 当時の最先端技術であった、という事実です。

「ほぺッ?
 きゃめらッ?!?」
「ぐるるるがるぐるる?」(←訳:凄いねカメラかぁ!)

 ええ~? フェルメールさんて、何百年も前の画家でしょ?
 カメラなんて、その頃にあったの~?
 という疑問も、つい感じてしまうのですけれど、
 年表などを見直してみると……
 あら?
 科学者のアイザック・ニュートンさんと
 フェルメールさんは同時代人なんですね。
 また、カメラについては、その頃『カメラ・オブスクラ』という
 写真用カメラの前身に当たる機器が発明され、
 普及しつつある状況だったと判明してもいるのです。

 フェルメールさんが生きた17世紀。
 中世の頑迷な影はようやく過ぎ去り、
 科学の時代が始まろうとしている世紀でした。
 果敢に、大胆に新技術を用い、
 アトリエで画布に向かっていたひとりの画家さんの姿が、
 研究のはてに浮かんできます。
 画家さんのその冒険心が、
 工夫に裏打ちされた技術と技量が、
 いまも、私たちをとりこにする《美》の秘密の一端、なのでした。

「うむゥ!
 きょしょうさんはァ、ちゃれんじゃーでスゥ!」
「ぐるるがるぐるがる!」(←訳:科学の子だったんだね!)

 フェルメールさんの絵に、
 一瞬でも見惚れた憶えがある御方には
 おすすめの一冊です。ぜひ! 
 
「かがくのォこころがァ、めざめまス!」