
寒ぅ~い!ああ夏が早くも懐かしい……
こんにちは、ネーさです。
今日はとうとうダウンジャケットを着てみましたよ~。
「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるる!」(←訳:虎です!)
空気が冬に一転した本日は、
前回記事の柔らかくて美味しいおだんごから、堅~いテーマの御本に一転です。
硬派さんも軟派さんも、こちらを、どうぞ~!
―― フェルメールのカメラ ――
著者はフィリップ・ステッドマンさん、原著の英語版は2001年に、
画像の日本語版単行本は’10年9月に発行されました。
副題に『光と空間の謎を解く』とあります。
ヨハネス・フェルメールさん(1632~1675)――
アート好きさん、
それに美術書好きの活字マニアさんにも、
もはや説明の必要がない画家さんですわよね。
テディちゃ、虎くんも知ってるでしょ?
「ふァいッ!
きょしょうさんでスゥ!」
「がるるるーる!」(←訳:有名画家さんだよ!)
世界的に高く評価される、
フランドル(現在のオランダ)の巨匠画家・フェルメールさん。
近年、高まる一方の人気に煽られてか、
フェルメールさんに関する研究が盛んに行われています。
この御本は、その研究の一つの成果を詳しく報告した
いわば、レポート的な内容のものなのですが、
熱心なフェルメールファンさんにとっては
衝撃……いえ、大々ショックな分析結果が著されており、
美術界では話題となっておりますね。
「しょッくゥ??」
「ぐるるがるぐるがるー?」(←訳:どんな衝撃なのー?)
フェルメールさんは、
カメラを使って絵を描いていた――
一見、古典的な、欠点のない完璧な構図を支えていたのは
カメラという、
当時の最先端技術であった、という事実です。
「ほぺッ?
きゃめらッ?!?」
「ぐるるるがるぐるる?」(←訳:凄いねカメラかぁ!)
ええ~? フェルメールさんて、何百年も前の画家でしょ?
カメラなんて、その頃にあったの~?
という疑問も、つい感じてしまうのですけれど、
年表などを見直してみると……
あら?
科学者のアイザック・ニュートンさんと
フェルメールさんは同時代人なんですね。
また、カメラについては、その頃『カメラ・オブスクラ』という
写真用カメラの前身に当たる機器が発明され、
普及しつつある状況だったと判明してもいるのです。
フェルメールさんが生きた17世紀。
中世の頑迷な影はようやく過ぎ去り、
科学の時代が始まろうとしている世紀でした。
果敢に、大胆に新技術を用い、
アトリエで画布に向かっていたひとりの画家さんの姿が、
研究のはてに浮かんできます。
画家さんのその冒険心が、
工夫に裏打ちされた技術と技量が、
いまも、私たちをとりこにする《美》の秘密の一端、なのでした。
「うむゥ!
きょしょうさんはァ、ちゃれんじゃーでスゥ!」
「ぐるるがるぐるがる!」(←訳:科学の子だったんだね!)
フェルメールさんの絵に、
一瞬でも見惚れた憶えがある御方には
おすすめの一冊です。ぜひ!
「かがくのォこころがァ、めざめまス!」