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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

笑いと恐怖と?

2010-11-01 23:23:18 | ブックス
(♪カラ~ンコロ~ンカラ~ン♪
 と、始業の鐘が鳴ったのと同時に
 お教室の引き戸を開けて入ってきたのは……)

 えへん、お早うございまーす!
 
「あッ! ネーさだッ!」
「ぐるるがるるがる!」(←訳:ネーさ講師が来たー!)

 は~い、出席を取りますよ!
 テディちゃ! 虎くーん!

「ふァいッ! テディちゃでスゥ!」
「がるる!」(←訳:虎です!)

 では、机の上からオモチャやミニカーを片付けて、
 本日の読書タ~イムを始めましょう。
 準備していただくテキストはこちら、ですよ~!




                ―― オカルトゼネコン 富田林組 ――




 著者は蒲原二郎さん、’10年3月に発行されました。
 『富田林組』は、もちろん『とんだばやしぐみ』とお読みくださいね。

「ふァいッ! とんだばやしィ……おきゃるとォ……おきャ……
 ひいいいィ! おかるとォ、こわいィ!」
「がるるるー!ぐるがるるー!」(←訳:ボクも嫌だー!怖いのヤダー!)

 はいはーい、落ち着いて。
 怖い、ですって?
 いーえ、怖くなんかりませんわ。
 これは、ひとりの青年の成長の記録であり、
 オトナを信じるな!という教訓の物語でもあります。

 さあ、覚悟を決めて、
 富田林組に飛び込みましょう!

「……ふァいィ~」
「……がるー」

 昔むかし、ではない現代の或る日。
 『株式会社富田林組』本社を見上げ、
 感慨にふける青年がありました。

 とうとう、この日が来た!
 日本全国にその名をとどろかせる大手建設会社、富田林組!
 その富田林組にこの俺が、
 お勉強なんて全然デキなかった俺が、
 新人社員として入社するー!

 彼の名は、田中たもつくん。
 希望に燃える田中くんは、でも、入社式に出るより先に、
 美女に案内され、配属部署へ引っ張ってゆかれる羽目になりました。
 そこは……地下。
 えっ? 地下、って?
 と狼狽える田中くんに、にったり笑いかける部長さんは……
 きっついパンチパーマに仏頂面の……
 大仏?!?

「がるるっ?」(←訳:大仏ぅ?)
「どゆことでスかッ、もぐもぐゥ~」

 あ、こらっ!
 早弁はいけませんよっ、テディちゃ!
 寄越しなさい!

「へへんッ、もうたべおわッちゃッたでスゥ~♪」
「ぐるるる~がるるるる?」(←訳:食べちゃった、って、じゃあ御昼ご飯はどうするの?)
「……わきゃッ??」

 えへん、話を戻しますわよ。
 大仏さまにそっくりのその人は、
 『調査部』部長の鬼頭(きとう)さん。
 会社の一般業務とはいささか異なる調査部の仕事をつかさどる、
 外面は不機嫌な仏像、
 内面は鬼のように冷酷非情な人物なのでありました。
 
 鬼頭さん率いる調査部で
 田中くんを待ち受ける過酷な運命は……!
 明るかった筈の、田中くんの未来は……!

「めでたしィめでたしィ、でスかッ?」
「ぐるるがる~…」(←訳:めでたくなさそうな~…)

 笑いを狙ったオバカな御話、と見せかけて、
 著者さん、実はみっちり物語を《構築》してあるようです。
 昭和の文化やバブリーなセンスが
 たっぷりとフリカケられているこの味わい、
 可笑しな御本&可笑しなストーリーを探している御方は
 ぜひ一度テイスティングを!

(♪カラ~ンコロ~ンカラ~ンコロ~ン♪)

 おや、ちょうど時間となったようですね。
 では皆さま、存分に早弁なさってくださ~い!

「がるるる~ぐるるぐる~!」(←訳:それではお弁当をいただきま~す!)
「ちぇッ!
 おなかがァ、すいたようゥ~!」



 *** 付記 ***

 先日ご紹介いたしました『退出ゲーム』『初恋ソムリエ』でも
 言及いたしました全日本吹奏楽コンクールが
 10月30日と31日の両日、東京・杉並区の普門館にて開催されました!
 金賞に輝いた中学・高校の吹奏楽部員さんの皆さん、
 おめでとうございます!
 惜しくも賞を逸した学校の方々にも
 盛大な拍手を~!
 
「ぱちぱちぱちィ~♪」
「がるるるぐる!」(←訳:みんなステキです!)

 (私どもの地元・八王子の片倉高校吹奏楽部さんも
  金賞を受賞したんですって!
  片倉高校の皆さま、おめでとうございます~!)