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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

お喋り蜘蛛ブラザーズ!

2010-06-16 22:51:09 | ブックス
 バラは盛りを過ぎてしまった東京・多摩地方……
 でも、アジサイとザクロのお花がきれいに咲いておりますよ~♪
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわァ、テディちゃでスゥ!」
「がるるっ!」(←訳:虎ですっ!)

 さあ本日は!
 久しぶり~な世界名作劇場の開演ですよ~♪
 こちらを、どうぞ~!



                 ―― 黒後家蜘蛛の会 ――


 
 著者はアイザック・アシモフさん、原著第一巻は1974年に発行されました。
 前回の記事で、ちょこっと言及しましたこの名作ミステリを、
 言及だけじゃ申し訳ないわ!
 きちんと御紹介しなくては!
 とネーさ、いたく反省いたしまして……改めましての、登壇でござる~!

「ぱちぱちぱちィ~!
 ほーむずさんのォ、こうけいしゃッ、ばんざいィッ!」
「ぐるがるぐる~!」(←訳:アシモフ博士~!)

 20世紀を代表するSF作家、
 という肩書きを付されることが多いアシモフさんですが、
 その本質、作品に流れる底流は
 ミステリ――《謎解き》の精神であるとも
 評されています。
 
 この『黒後家蜘蛛の会』は
 アシモフさんがミステリ魂を燃え上がらせ、
 本気で《謎解き》に取り組んだ
 連作短編シリーズなんですね~♪

「うむうむッ! それでェ、たんていさんはァ、どんなひとォでスかッ?」
「ぐるがるぐるるる?」(←訳:作者の分身みたいな作家さんとか?)

 いえいえ、それが。
 この物語のキモであるとも言えましょうか。

 『黒後家蜘蛛の会』会員さんは、以下の面々――

 ジェフリー・アヴァロンさん、職業は特許弁護士。
 トーマス・トランブルさんは、暗号の専門家。
 イマニュエル・ルービンさんは作家さん。
 ジェイムズ・ドレイクさんは、有機化学者。
 マリオ・ゴンザロさんは画家さんで、
 ロジャー・ホルステッドさんは数学者。
 
 そして、名誉会員ともいうべき、
 給仕のヘンリーさん。

 月に一度、黒後家蜘蛛の会は
 マンハッタンのイタリアンレストラン『ミラノ』で
 会食をするのが習わしです。
 ヘンリーさんの完璧な給仕による
 美味しい食事と、
 ゲストを迎えての機知に富んだおしゃべり、
 女性は参加お断わり!のこの会で、
 ある日、話題になったのが……
 ゲストさんが経験した不思議な出来事、でした。

 いったいどうして?
 なぜ?

 いつの間にか、毎回の会食で持ち出されるようになった
 謎と不思議の数々を、
 するる、
 さらり、
 と解き明かしてみせるのは――

「さッかのォ、るーびんさんッ??」
「がるぐるるがる?」(←訳:暗号専門家のトランブルさん?)

 いえ、ですから、それが……

 ヘンリーさん、なのですよ。

「ほぺぽッ? きゅうじさんッ??」
「がるるっ?」(←訳:本当にっ?)

 本当ですとも!
 文系・理系のインテリさんたちをさしおいて、
 しがない(と見える)レストランの給仕さん、
 すなわちヘンリーさんが、
 探偵役を務めるのです。
 その手腕、鮮やかにして明瞭!
 迅速にして確実!
 痛快かつ愉快~♪

 文中には『リメリック』という
 英語版の狂歌のような短詩が飛び出てきたり、
 アシモフさんお得意の化学やシェイクスピアのお話がでてきたり、と
 ミステリ好きさん以外の心もくすぐる
 エンタな探偵小説です!
 21世紀の現在から眺めると、やや古めかしい設定も、
 アシモフさんの筆にかかれば
 かえって味わいが生まれるかのよう……
 すべての活字好きさんに、激おすすめ、ですよ!!

「せいとうはッみすてりィ~、よむべしィ~♪」
「がるぐるがるるるー!」(←訳:皆でヘンリーさんのファンになろう!)

 なお、↑上の画像はネーさ所蔵の旧版です。
 現在は、表紙デザインなど変更された新版の御本が
 1巻から5巻まで発行されていますので、
 そちらをお読み下さいね~♪