ルート名をそのままタイトルに使うのは、初めてな気がする。
同行者と2日ツアーで、記憶に残る名ルートを2人で順番にRPできた。
かっぱは、この日1発RPを決めていた。
ウオーミングアップなしで登り始めることが多い。
そして、ワクワク感を抑えられずに落ちることが多い。
だからこの日は、落ち着いて行動するために、きちんとウオーミングアップをする。
ウオーミングアップは、なぜか「らぶ衛門」10a。
少し大きめのクラックは好きだが、リードすると怖い。
しかも、2人ともカムの4番とか5番とか持っていないので、小さい番数で工夫して登る。
それがまた、怖い。
「頭ならびに腹」の取り付きに行くと、若者が取り付いていた。
懸垂でヌン掛けしようと思っていたので、ありがたく借りる。
6月からで5回目のトライ。
前回でムーブは固まっている。
ボルト3本目からは全て不安要素がある。
しかし、どのボルトからも動く前にレストできるようになっている。
各駅レストでしっかりホールドを見定め、迷いなく進んだ。
心の余裕はないのに、力的には余裕がある、という珍しい状態。
時間をかけてRP。
嬉しい一本だ。
その後、すぐ隣の「妊娠3か月」5.9を登り終えた頃、若者が戻ってきた。
彼は、恐らく2便目での「頭ならびに腹」RP。
若さに感激で、喜びに包まれる。
同行KGさんは夕方まで粘るが、この日は登れず。
幸せなテン場で、星空に包まれて翌日の晴天祈願を願う。
祈願が効いて、快適な秋晴れ。
木漏れ日が祝福してくれている。
2日目のウオーミングアップは「蛍」5.10。
優しいクラックと微妙なマントル返しがおもしろい。
これは2番までのカムで対応できる。
そして、KGさんの「頭ならびに腹」トライ。
クラック帯を抜けて、ボルトの始まりからかなりきつい様子。
いつ落ちてもおかしくなさそうなのに、粘り、落ちない。
剝がされるのを必死で抑えているのが、体全体から伝わる。
緊張のビレイは核心を越えても続いた。
そして完全に上に抜けきった。
「頭ならびに腹」は、手持ちのトポでは11dとなっている。
が、ロック&スノー59号での北海道ベスト10ルートでは12a表記となっている。
経緯は分からないが、自分たちの価値は十分12だった。
さて、2日間のクールダウン。
朝、「蛍」をやったときに、となりにあったワイドクラックが気になった。
上の登山道を歩いている時に、終了点を見付けておいた。
そして、何とかTRをかけた。
試登してみる。
チムニーサイズは支点が取れない。
だから、TRで終わろうと思ったが、登ると奥にエイリアンサイズが決まる箇所を発見した。
さらに上部の水平クラックに3番が決まると判明。
3つ取れれば何とかなると思い、リードにチャレンジ。
エイリアンから3番までの間はランナウトだが、時々足がべったり置ける棚があるので、落ちない。
とても、楽しく抜けれた。
後で「如意棒」というルートだと分かった。
聞けば、上部の3番のみで登る設定らしい。
エイリアンが決まる箇所が見つかったおかげで、情報なしで安心登攀ができた。
フェースからワイドまで楽しめた2日間。
両日ともよい秋晴れに恵まれた。
月曜休みだったで日月のお話。
ブログをお読みいただき光栄です。グレードについてですが、文中にも書いたように12の価値を十分に感じています。トポを見て11dだと思っている方が多いので、併記の形で書きました。12aとして認識されるようになっていくととても嬉しく思います。また、おかげで経緯が分かり満足感も上がりました。ありがとうございました。