久留百合子の生活者視点

仕事、旅行、日常のちょっとしたことから得た情報、生活者として感じたことなどを綴ってみます。

石炭のパネルに出ました

2010-11-02 15:41:11 | Weblog
 先週金曜日、九州経済産業局・(財)石炭エネルギーセンター主催の「私たちのエネルギー需要を支える石炭とクリーンコールテクノロジー」というセミナーの中のパネルディスカッションに出演しました。
 13時から17時半までという長いセミナーでしたが、当日は打ち合わせのため10時半から会場に入り、終わってからの懇親会まで、長い1日でした

 出演依頼があった時、エネルギー・環境問題、温暖化などのテーマであれば、これまでもたくさん出ていましたので戸惑わなかったのですが、”石炭”?正直、今、石炭って重要なんだろうか?石炭ってCO2を出す悪者というイメージでしたので、何を話せばいいのだろうかと考えてしまいました。
 しかし依頼に来られた方からの最近の石炭事情を聞いていると、知らなかったことがたくさん。私の役割は、そのような一般消費者の発言でいいということでしたので、お引き受けすることにしました

 それからは送られてきた資料を読み、石炭について勉強をするいい機会になりました。資源として石炭は、埋蔵量が石油の約40年と比べても約120年と大変長く、すなわち豊富にあること。価格も安い。また、使用量を少なくするようにガス化させて使うとか、発電所などではいかに効率よい発電をするかなど技術も進み、このような技術を「クリーン・コール・テクノロジー」と言うそうです。

 当日のセミナーの内容は、まず東京大学名誉教授の茅陽一先生の「温暖化への対応」という講演、茅先生のお話はいつもながら大変分かりやすく、続いて前経済産業省で東京理科大学特命教授の塚本修先生の「新成長戦略と地域活性化の方向」という講演があり、こちらは初め少し暗い話で、いかに日本が世界の競争に遅れているか、しかし可能性としては、地域独自の技術や産業の輸出などが地域経済、日本経済の活性化になるのではという内容でした。
 その次は、九州電力副社長の段上守さんの「九州電力の思い~低酸素社会実現に向けて~」という基調講演。段上副社長は、川内原子力発電所長時代に何度かお会いしている方で、全般的なエネルギーのお話から、九州電力として、低炭素社会に向けてどのちょうな取り組みをしているか、特に石炭火力発電やCO2削減に向けた海外での取組みなどの内容でした。

 その後休憩を挟んで、15時20分から2時間、やっと出演のパネルディスカッション。パネラは6名もおり、経済産業局の方、電源開発、新日本製鐵、九州大学、西日本新聞、そして消費生活アドバイザーとして私というメンバー。プラス昨年からこの石炭のセミナーのモデレーターを各地でされているサイエンス・ジャーナリストの東嶋和子さん。
 何しろパネラーが多いので、まず初めはそれぞれ10分間自己紹介と石炭に関する感想・意見を述べ、残りのディスカッションでは2つのテーマに絞り、クリーン・コルー・テクノロギーをどうしていくのか、もうひとつのテーマは、いかに石炭の情報を消費者に分かりやすく提供するのか、というものでした。

 10分の話を作るのは、結構難しいものです。短い時間の中に言いたいことを凝縮させなくてはいけませんので。私の内容は、子供の頃こそ、石炭を見たことがあったし、福岡県は鉱山があったので知ってはいたけれど、今では石炭を意識することはほとんどないし、どちらかというとCO2を出す悪者のイメージ。私たちにとって石炭は身近ではない、しかし、今回勉強してみると、とても大事なエネルギー源で、もっと石炭のことを理解しなくてはいけないと思った、というようなことを話しました。
 それぞれの発言をモデレーターの東嶋さんが柔らかく、分かりやすくそして時間はきっちりと進行しまとめてくださったので、なかなかいいパネルになったと思います。パネルはコーディネーターで決まると言っても言い過ぎではなく、私も何度も出たり、聞きに行ったり、またコーディナーターをしたこともありますが、まずは時間内に収めること、そして、いかにパネラーの意見を引き出し、相関性をつけまとめるか、この力によって、聞きに行って良かったと思えるか、来るんじゃなかったと思うか、決まりますものね。

 長時間で大変でしたが、各方面の方々の話が聞けたこと、その中でもエネルギー・環境問題を考える時に、日本のように資源の少ない国は(何とエネルギーの需給率はたったの4%なのですから)経済性やエネルギーの安定供給を考えた時に、ベストミックスという考え方が重要だということもよく分かりました。
 終わってみるといつも思うのですが、チャンスを与えていただいて良かったなと感謝する次第です


最新の画像もっと見る

コメントを投稿