久留百合子の生活者視点

仕事、旅行、日常のちょっとしたことから得た情報、生活者として感じたことなどを綴ってみます。

韓国の原子力

2007-12-14 16:01:38 | Weblog
11月、エネルギー関係の委員会で韓国の原子力発電所視察に行きました。韓国は、現在人口約5,000万人、面積は日本の1/4です。エネルギー資源は日本とほぼ同様で、97%を輸入に頼っています。
 原子力発電は現在20基、約1,800万kwで、電力の約38.6%を占めています。因みに日本は、55基、約5.000万kwで電力に占める原子力の割合は約31%です。因みに九州電力の原子力の割合は約40%になっています。
 日本はプルサーマル計画が進んでいますが、韓国は、プルサーマルの話はほとんどなく、原子力を増やしていく方向で、現在4基が建築中、2015年には、さらに12基の建築が予定されています。

 今回、見学したのでは、韓国の原子力発電所の中でも釜山に近い、月城原子力発電所と古里原子力発電所でした。月城発電所は、現在4基稼働しており、2基増設中ですが、現在の4基はカナダ式の加圧重水炉という日本にはない炉を使っており、増設中の2基は軽水炉ということです。
 もうひとつの古里の発電所の方も現在4基稼働しており、4基はまさに建築中で、少し高い所から建築現場も見せてもらいました。こちらは、九電の原子力発電と同じ加圧水型軽水炉です。
 
 2か所とも大変な歓迎を受け、何といっても驚いたのは、これが韓国のお国がらなのでしょうが、会議場の入り口のドアの上に電光掲示で「歓迎 日本九州○○委員会」と書かれてあったり、説明を受ける会議室のテーブルには、小さな国旗が立ててあったりと、さながら国際会議に出席したような雰囲気でびっくりしました。
 
 もうひとつ驚いたことは、帰りにいただいたお土産です。一か所からは、韓国の塗りものの茶卓、もう一か所からは、韓国でよく使われる銀の箸とスプーンのセット、それにもうひとつどちらからも、到着してすぐ撮った写真を帰りには立派な写真スタンドに入れて渡されたことです。
 韓国は年上の人を敬い、客人を大変歓迎する国だとは知っていましたが、食事にしても食べきれないほどの料理を並べて出すというように、国が違えば歓迎の表し方も違うと実感したのでした。

 一時は、韓国と日本の関係は近くて遠い国という時代もありましたが、資源やエネルギーの角度から見ると、2国は大変似通った国だと思います。今回の視察で、エネルギー政策や環境対策は日本の方が少し進んでいる感じはしましたが、いろいろな意味で条件の似通った国ですから、共に情報交換し、環境対策など協力できればいいなと思いました。

 それにしても、共に資源のない国、人材が資源である点は共通しているのですが、韓国の受験戦争は、日本の比ではないようです。丁度我々が行った次の週に受験があるということで、当日は、全国あげて、企業の出勤も1時間ほど遅らせて受験生を優先するという熱の入れよう。びっくりするやら、わー負けそう、という心境になりました。
 国外に出るといろいろな発見があります。また我が国を振り返るいい機会にもなりますね。


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