私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

残暑厳しき「砌」

2007-08-18 07:48:42 | Weblog
 「砌」という言葉をご存知でしょう。私は季節を表す時に使う特別な言葉とばかり思っていました。
 しかし、我;先生は「松の落葉」の中で、前にあげた母屋庇、長押、たたみ、天井、障子などと一緒に説明しています。
 この「砌」は、近頃の歌詠みは、庭のように思って歌に詠んでいるが、これは過ちで、本当は「軒の下」の事だと。

 私事(ひとりごと);
 高尚先生の『松屋文集』には、「砌に萩を植ゑおきたるに・・・」という文が見えます。少々心にかかるのですが、これからは、どうみても砌は「庭」と解釈したいのですが。軒の下では一寸変ですよね。
 あるものの本によりますと、この「砌」という言葉は、奈良以前ぐらいまでは『軒の下』という意味でしたが、どうも平安ぐらいから、『庭・場所』にも、又、室町ぐらいからは『時節・折・場所』にも、使われていたということです。
 
 我;先生でも、「こんな誤りもするのかあ・・」と、いよいよ近親感が沸いてきます。