私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

撫川うちわーその2

2007-08-21 13:59:03 | Weblog
 今日も真夏日です。この吉備津はもう10日以上も雨らしい雨が降っていません。そこら辺りがからからです。一雨欲しいところです。
 さて、8月7日に、一度「撫川うちわ」について書いたところ、またまたお節介さんがいて、
 「あなたの団扇には、なんと言う隠し文字が書かれていますか」と、問い合わせのメールを頂きました。
 「何、隠し文字?そんなものがあるものですか」と、思ったのですが、念のためもう一度、その団扇を出して、しげしげと眺め回して見ました。すると、ありますあります。
 この隠し文字が撫川うちわの特色とのことでした。
 念のために、私の団扇には
 「手に届く みずぎわうれし かきつばた」
という字が、切り込んであるという説明書きが付いていました。それを頼りに読んでみますと、あまりはっきりとは判りかねますが、それなりに理解できました。

 この隠し文字については、我;先生もお書きになっています。
 あしで(葦手)でというのだそうです。悪手とまちがって言われた事もあるそうですが、ごく最初は、水を描きて、その片に歌の文字を薄墨で細く続けて、葦が生えたように書くのが「葦手」で、葦手歌絵と言い、次第に、水を描いてそのあたりの景色に、葦を初め石、鳥などを描き、葦手を配置するようになったのだそうです。

 私事;
 この撫川うちわの隠し文字は、正式には「葦手」とは呼ばれないかもしれないのですが、平安の昔から伝わってきた「葦手」の手法が、取り入れられたところに「伝統的工芸品」としての価値があるのです。まあ、広い範囲に葦手といってもいいのではと思うのですが。


 「からから天気どうにか・・・」と、今、ここに書いていましたら、下の方から、「雨が降っているよ」というかみさんの声。急いで窓を開けてみると、涼しい雨風が風鈴をちりんちりんと鳴らしながら吹き来ます。外は待望の雨である。
    
    ・夏行くも 空には秋の 気配ゼロ
              最高気温の 記録伸びけり  
    
    ・雨降りて 吹き来る風は 風鈴を
              幽かに揺すり 秋は入り口