バスーンふぁんたじあ

アマチュアバスーン吹きのメモ書き。

不安

2009年06月03日 | 日記
一昨日の早朝から一泊で出かけなければならなくなり、今年に入ってから途切れることなく毎日楽器を吹いてきたが、ついに途切れてしまい、2日間楽器をお休みしてしまった。どんなに忙しくても15分でも30分でも毎日楽器を吹く、という決意も社会人ならばあきらめなくてはならないことがあるのは当然といえば当然なのだが。

恐いのは、続けてきたことを1日でも休むと、なんだ1日吹かなくても平気じゃん、と気がゆるんでしまうこと。実際、2日間楽器を吹かなかった今日は何だか楽器を吹こう、という気にならない。楽器をケースから出すのが億劫になってしまうのだ。

いかんいかん。10分でいいから吹こう。

前回のオケの練習のとき、このところなかった不安事態が起きてしまった。私は結構なあがり症なので、演奏会本番となると緊張する。ほとんどの人が体験することなのだろうし、適度な緊張感ならよいのだが、緊張しすぎると指先が震え、のどが締まり息を十分に遅れなくなり、口元まで震えてしまう。まぁ、そこまでいくのは極端に緊張したとき。

学生のころはソロの前や目立つところのppなどは震えをおさえるのが大変だった。大学を卒業してアマチュア・オケで活動するようになってしばらくは大丈夫だったような気がする。今考えると、実力以上の自信過剰だったころだと思う。

その後しばらくして、またあがり症が復活してきたが、そのころからは体が震えるとか呼吸が苦しくなる、ということはなく、代わりに胃が痛くなるようになった。曲の途中から胃が痛くなりはじめ、終わったころは吐きそうなくらい痛いこともあった。

このごろは、胃が痛くなっても少々の程度で体に震えがくる、ということもほとんどなくなっていた。本番で「まったく上がらない」という人もいるのだから、羨ましいかぎりだ。

前回の練習のときは、練習前にリードに迷った。使おうと思っていたリードが思っていた以上に重くなっていて調整が間に合わず、直前で少し軽めのリードに替えた。ところがそのリードが思った以上に振動しにくく、あれ、あれ、どうしよう、という状態で練習が始まってしまった。

曲はベートーヴェンの7番。何回か本番で吹いたことのある曲だし、指のまわらないところもないし、心配なのはスタミナだけだった。スタナミナもこのところ毎日楽器を吹いていたので、1楽章から100%で吹いても最後まで吹ききる自信はあった。

練習は通し練習だった。指揮の先生も気合をいれての本番さながらの全力の通しだ。

リードが思った以上に振動しないことで、1楽章がはじまって数小節で不安が頭をよぎった。2楽章の中間部のフルートとオーボエとバスーンのソリのところを上手く吹けるだろうか。たぶん、こう不安に思ってしまったことがいけなかったのだと思う。

2楽章のソリがはじまって数小節はいい感じだった。これならいけるか、と思ったが、いつもブレスを取るところを何を考えていたのかブレスを取らなかった。とたんに、呼吸が苦しくなってきて音が細くなってしまった。しまった、と思ったとたん、昔のあのいやな緊張感が戻ってきてしまった。

口元が少し震える。あごががくがくしてきた。音もそれにしたがって変なちりめんビブラートがかかったような音に。そうなると、次に息を十分に吸って態勢をたて直そうとしたが、息が十分に吸えない。…終わったか…。

結局そのソリのところは、音程も音色もがたがただった。がくっ、ときた。情けない。泣きたくなった。でも、そのままがっくりしてもいられないので、気持ちを持ち直した。不思議なことに、その後はそんなことは起きず、4楽章までほぼいつもと同じように吹けた。

つまるところ、リードよりも何よりも「強い精神力」なのだ。吹ける、と自分を信じて立ち向かわなければ吹けるものも吹けなくなる。そのためには、吹ける、という自信がもてるように練習しなければならない。

以前、田中先生が細かい難しいパッセージのときは「攻めろ」とおっしゃっていた。このことは、細かいパッセージだけに当てはまることではなく、ソロや大事な箇所すべてに通じているのだろう。ひるんだり、守りに入ったらだめだ。

と、強い気持ちを持ち続けられるよう、今日からまた練習しよう。そう、たとえ10分でもいいから。
コメント (2)
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